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運動不足の中高年 半年の有酸素運動で認知機能が向上

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日経Gooday(グッデイ)

普段あまり運動をしない中高年が、20~40分の有酸素運動を週4日、半年間続けると、一部の認知機能の改善がみられることが、カナダで行われた研究で明らかになりました。

運動は脳の血流を改善し、認知機能を高める?

運動は中高年者に様々な利益をもたらすことが示されており、その中には脳の健康も含まれています。具体的には、記憶力、注意力、実行機能(目標を設定し、段取りを決めて実行する能力)などの認知機能や、脳血流に好ましい影響を及ぼすことが示されています。

既にいくつかの研究が、運動と脳の血流の関係について検討していますが、これまでに、定期的な有酸素運動を長期間継続することが、脳血流の調節と認知機能に及ぼす影響は調べられていませんでした。そこでカナダ・カルガリー大学などの研究者たちは、普段運動をほとんどしない健康な成人に6カ月間のトレーニングをしてもらい、認知機能への影響を調べることにしました。

対象としたのは、カナダのカルガリーに住む、普段運動をあまりしない、健康で認知機能も正常な中高年男女です。研究者たちは、以下の条件を満たす人を選びました:(1)BMI(体格指数)が35未満(※国際的な定義では30以上が肥満)(2)手助けなしに20段以上の階段の上り下りができる(3)心血管疾患または脳血管疾患、1型糖尿病、呼吸器疾患、神経疾患、認知機能障害の診断歴がない(4)1年以上にわたって喫煙しておらず、大手術または大外傷の経験はない(5)かかりつけ医が研究への参加を許可している。運動習慣については、「中強度までの運動を1日当たり30分以下、頻度は週に4日まで」、または「高強度の運動を1日当たり20分以下、週に1~2回まで」という条件を設定し、すべての条件を満たす286人を登録しました。

有酸素運動のトレーニングを開始する6カ月前と、開始直前、さらに6カ月間のトレーニング終了後の計3回、認知機能と脳血管機能の評価を行いました。また、心肺機能の指標である最大酸素摂取量(VO2max)も測定しました。

認知機能の評価は、処理速度、実行機能、言語記憶、図形記憶、言語流暢性、注意力といった項目について行いました。トレーニング開始前に2回の評価を行った理由の一つは、認知機能検査を複数回受けると、慣れによるスコアの向上が生じる可能性があるからです。著者らは、評価を2回行うことによって、事前に、検査慣れの影響が出やすい項目を特定しました。脳血管機能は、頭蓋骨の上から超音波のプローブを当てる経頭蓋超音波ドプラ検査で評価しました。

有酸素運動のプログラムは、カルガリー大学で週3日行いました。有酸素運動前に5分間のウオーミングアップ、運動後に5分間のクールダウンとストレッチを行い、有酸素運動[注1]の時間は当初は20分とし、最大40分まで延長しました。運動の強度は、本人の予備心拍数に基づくVO2maxの30~45%のレベルから始めて、60~70%まで徐々に高めました。さらにトレーニング期間中は、自宅でも週に1回、プラン通りに有酸素運動を行うよう指示し、これを実践した記録と、それ以外に自主的に行った運動の記録を日誌につけるよう依頼しました。

[注1]有酸素運動の内容は、「米スポーツ医学会のガイドラインに基づく」とされており、具体的なメニューは論文に明記されていない。

半年間で、認知機能の一部と脳血流調節機能が改善

6カ月間のトレーニングを完了したのは206人(平均年齢65.9歳、女性が51%)でした。VO2maxを指標とする心肺機能は、トレーニング開始の6カ月前からトレーニング開始直前までの6カ月間には低下していました。これは、参加者たちが、その間に十分な有酸素運動を行っていなかったことを示唆します。対照的に、トレーニング開始直前と訓練完了後を比較すると、心肺機能は改善しており、トレーニングは有効だったことが示されました。

トレーニング前後の認知機能を比較したところ、処理速度と、実行機能の中の概念形成[注2]、言語記憶、言語流暢性のスコアが、トレーニング後に有意に改善していました。それらのうち、処理速度と言語記憶については、検査に対する慣れの影響が想定されたため、以降の分析から除外しました。残った概念形成と言語流暢性の向上と6カ月間の有酸素運動との関係を調べたところ、これらはいずれも、トレーニング前後の脳血流調節機能の改善と有意に関係することが明らかになりました。

半年間の有酸素運動は、心肺機能を高めると共に、脳血流調節とそれに関係する一部の認知機能を改善していました。このことは、普段積極的に運動していない中高年者であっても、有酸素運動を継続すれば、正常な加齢による認知機能の低下が妨げられ、さらには改善も期待できる可能性を示唆しています。

論文は、Neurology誌2020年5月26日号に掲載されています[注3]

[注2]様々な刺激の中から共通の特徴を抽出し、1つの概念を形成する能力

[注3]Guadagni V, et al. Neurology. 2020 May 26;94(21):e2245-e2257.

[日経Gooday2020年7月14日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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