夏の終わりのアカトンボ 冷や汁食べつつ少ししんみり

おや? と思ってレースのカーテンの真ん中を少したくし上げてみた。窓外の景色が目に入るより先に、日差しに射られてまぶたを閉じてしまったので、おや? の正体を確認することはできなかった。その代わり、モワーッとした熱気がリビングルームの窓辺から部屋の奥に向かって広がって行って、ようやく効いてきた冷房を台無しにし始めたので、レースと厚地のカーテンの両方を閉め直し、ソファに寝転がってテレビをつけるしか、やれることはなかった。

本当に暑い。まだ朝の8時だというのに、今年の猛暑は南向きの我が家のリビングルームを容赦なく熱してくれる。毎晩カーテンをきっちり閉めておいても、ほとんどこの温暖化の対策にならないのだ。

暑さに体が慣れるのを待ってから、気合を一つ入れてソファから起き上がり、キッチンでコップ一杯の水を飲む。

さて、朝ごはんを作らねば。冷蔵庫の野菜室を開けると、キュウリ半分とミョウガが一つ。棚にはサバ缶とゴマ味噌風味のインスタントだしが一袋。ご飯はお茶わん一杯分ずつ冷凍してあったな。決まった。今朝は冷や汁にしよう。

この料理の良いところは、冷やご飯をおいしく食べられる事だ。冷やご飯にはレジスタントスターチという、食物繊維と同様の働きをする成分ができていて、糖質の吸収を抑制してくれるという。つまり、通常のご飯と比べてダイエット効果が期待できるのだ。更にサバ缶でタンパク質摂取、ゴマと味噌が健康に良いことはもう常識。キュウリで暑さを乗り切り、ミョウガで冷房対策と、調べてみるといろいろ書いてあるが、要はおいしいのである。

まずご飯を出して常温で解凍してと。キュウリはうすーく輪切りに……。

さっき、カーテンの向こうに垣間見たのは、あれ、アカトンボだった。きゃしゃな体をしていた。

キュウリを切りながらカーテンの隙間を横切ったトンボの色を思い出そうとしたが、赤かったか茶色っぽかったか判明しない。

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