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日本ガイシ社長 大島卓氏

日本ガイシ社長 大島卓氏

日本ガイシは1919年に誕生した老舗メーカーだ。祖業は送電線に付ける絶縁体「がいし」だが、現在は排ガス浄化用部品を核に、電子部品や半導体向け部品などを広く手掛ける企業に成長した。大島卓社長は2014年に就任、古い企業体質の改善に取り組んできた。大島社長のリーダーとしての信念は「失敗はしても後悔はしない」。失敗を恐れず挑戦する姿勢が重要だと、社員に説いている。

(下)小さな不満もすぐ解消 現場の課題を把握、上司の務め >>

――リーダーに必要な資質は何でしょう。具体的に想像しているリーダー像はありますか。

「当然かもしれませんが、リーダーには目標に向かって組織を強く引っ張る力は不可欠です。トップがそう簡単にぶれていては、従業員からの信頼は得られません。課題を明確に打ち出し、戦略を示すことが重要だと思います。また。現場に任せきり、というのもいけません。自ら現場に足を運んで、何が起きているのかを把握することはトップの立場になっても大事なことだと感じました。そうした現場を感じ取るような、小さなアンテナを張ることで、新たな課題が見えてくるのです」

「これがリーダーだ、という具体的なイメージはないのですが、現役の大企業のトップをみていると共通する部分があります。皆さんそれぞれ個性がありますが、総じて明るくて責任感も強く、みんなに信頼されているからこそ選ばれたのだと感じています」

――社長就任後、まず取り組んだことは何ですか。

「日本ガイシは電力、自動車、エレクトロニクス、半導体と大きく4つの事業があります。でも、横の連携が希薄でした。いわば、縦割りで言われたことしかやらないという組織だったので、抜本的に作り替えないといけないと、社長になったときに思いました。海外事業を拡大するグローバル企業としても、弱さを感じていました」

「就任して半年ほどたった時です。管理部門の十数人の部長を集めて叱りました。『悪いけど、あなたたちは全くできてない。失格だ』と、危機感をあおったのです。皆、ぽかんとした表情をしていました」

「あえて叱ったのですが、それは問題があると分かっているのに、誰もそれを直そうとしないからです。例えば、その問題が自分の部署だけでは解決できないのなら、ほかの部署にもお願いしなければいけないのに、面倒だからと動きません。創立100年の企業ですが、その歴史の闇の部分と思ったのです。そこで部長たちに、『半年ほど考える時間を与えるから、誰がリーダーとなってそれぞれの課題を解決するか、整理しろ』と伝えたのです。彼らは前向きに課題の解決に取り組んでくれました。今、本社部門はかなり変わってきたと感じています」

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