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ここまで来た鮮魚通販の実力 人気シェフと料理で検証

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「市場で仕入れた魚を即日配送」「水揚げしたばかりの魚を漁港から最短翌日に直送」──。鮮魚を扱うネット通販の利便性が急速に高まっている。うまい魚が自宅でも手軽に食べられるとあってリピーターも少なくない。

背景にあるのが、新型コロナウイルスの感染拡大だ。多くの飲食店が営業を自粛した影響で、業務用鮮魚の需要が一時激減。販売先を失った業者や漁師などが、巣ごもり生活を強いられていた一般消費者をターゲットにネット通販へ続々と乗り出したのだ。おかげで本来飲食店以外には出回らない上物や、地方でしか流通しない珍しい魚が買えることもある。

そこで、今どきの鮮魚ネット通販の実力を知るため、中でも独自の特徴を打ち出す3つのサービスで実際に注文し、鮮度などを確かめてみた。魚のうまさを引き出すため、東京・築地のフランス料理店「Green Kitchen」に協力を仰いだ。小島三生シェフはほぼ毎日豊洲市場へ通い、鮮魚には一家言ある。

「イワシなどを1匹単位で買うのがお勧め。鮮魚は、内臓を取り出して冷蔵しておけば、数日は鮮度が保たれます。毎回スーパーで刺し身を買うより経済的」(小島氏)

0時に注文し、13時に到着するというスピード

まず最初に試したのは、2020年4月にスタートしたばかりの「うおポチマルシェ」(注:8月5日に「perrot(ペロット)」に改称)。エリアは都内7区(目黒・品川・港・渋谷・世田谷・大田・中央)に限られるが、0時までに注文した魚を同日の13時~17時に届けてくれる(市場休場の関係で火曜・土曜日の注文は翌日配達)。注文したのは、5~10月が旬の「マイワシセット」(5匹、税込み550円)、夏の川魚の代表「鮎セット」(3匹、税込み760円)など。

届いたマイワシを見た小島シェフは、「リーズナブルなのに鮮度が良く、ものも良い。刺し身が絶対にお薦め」と話すと、マイワシをあっという間に三枚に下ろした。

同時に買った養殖の国産本マグロと合わせて盛り付けたマイワシを見て、まず気付くのは断面の美しさである。たまにスーパーで売っているマイワシの刺し身は少し茶色いことがあるが、皮に近い所がきれいな赤色をしていて艶やかで食欲をそそる。実際に食べてみると、舌の上でとろけるような食感がたまらない。

運営元であるフーディソンは、飲食店向け鮮魚仕入れネットサービス「魚ポチ」でここ数年急成長しているスタートアップ企業だ。同社は、全国20以上の産地市場をつなぐ独自の仕入れルートを強みとする。流通量が多い定番魚種は豊洲市場の卸業者(荷受けとして全国から仕入れた魚を競りにかける)、加工度合いの高い魚種は仲卸業者(卸業者から買った魚を飲食店に卸す)、珍しい魚は産地の漁港からといった具合に約1800種類以上を柔軟に仕入れる。

perrotは、都内約1万5000店の飲食店向けと合わせて調達した鮮魚を、同じく飲食店向けの自社物流網を活用して届ける点に特徴がある。「一般的なスーパーよりも半日から1日分は早く、家庭の食卓に乗せられる」(執行役員の伊藤貴彦氏)。マイワシの美しさには理由があったのだ。商品の大半は、自社の物流センターなどで一般家庭でも扱いやすいサイズにカットしたものなのもありがたい。

豊洲市場の仲卸が厳選した「旬のMEKIKI便」

次に注文してみたのが、こちらも3月に開始した「旬のMEKIKI便」である。8時までの発注分について、翌日の早朝に発送。東京23区内であれば早ければその日の午前中、23区外の都内や関東圏(神奈川・千葉・埼玉・群馬・茨城・栃木)でも夕方までに届くというサービスだ。発送日の翌日着となるが、それ以外の地域からでも注文できる。

今回、頼んでみたのが旬の鮮魚がセットになった「美濃桂 鮮魚セット」(3~5品、税込み5724円)と「飯田水産 鮮魚セット」(2~4品、税込み2916円)。実は商品名にある「美濃桂」「飯田水産」とは、豊洲市場の仲卸業者のこと。出荷日に仕入れた魚の中から、仲買人が自信を持って薦める鮮魚を厳選している。

この日届いた鮮魚を見た小島シェフは、「イサキやアイナメは身がしっかり締まっているし、イワシも身が丸々と太っている。本当に良いものだ。両仲卸業者は、豊洲市場でも一流の目利きがいることで知られ、私も仕入れでお世話になる。さすがだ」と褒めた。

5~7月ごろに産卵期を迎えるまさに今が旬のイサキが飛び切りおいしそうだと見た小島シェフは、カルパッチョを作ることを即決。イサキをスライスして塩とコショウを振ってガラスの皿に盛り付け、ミキサーを使って作ったパプリカベースのソースを掛けて旬の野菜を美しく散らした。早速食べてみると、小島シェフが言うようにイサキは確かに身がプリプリで、スーパーでよく売っているイサキの刺し身とは明らかに歯応えが違う。

もう1品に使ったアイナメも4~8月が旬の魚で、小島シェフは素材の良さを引き立てるためアクアパッツァを作ることにした。フライパンでアイナメを焼き色が付くまで弱火で焼き、ハマグリや野菜を追加してワインで蒸し焼きにした。アイナメは和食店でたまに煮付けとして食べるが、アクアパッツァのアイナメを取り分けてみるとフォークで取っても身が崩れることが無い。ハマグリなどが引き立て役となり一気に食べてしまうほど美味だった。

一般向けには小売りをしていない有力仲卸業者から直で仕入れができるのは、旬のMEKIKI便を提供する東京築地目利き協会が17年から魚食文化推進活動に熱心に取り組んできたためだ。移転問題に揺れていた築地市場の文化を、座学や実技を通じて多くの人に知ってもらう「築地魚がしコンシェルジュ認定講座」などを3年にわたって開催。講師として招いたことがきっかけで知り合った仲買人と交流を深め、活動を通じて信頼を獲得。徐々に広がっていった「人の輪」の中には、ミシュランの星付き飲食店が信頼を寄せる生マグロ専門の仲卸業者なども含まれる。

「ネット通販を通じて、週替わりで変わる魚の旬の素晴らしさを知ってほしい。物に加えて、知識と技術と体験も届ける」(代表理事の佐藤篤子氏)。ウェブサイト上では、その週に出荷した魚にまつわる基礎知識や、野菜ソムリエによる旬を最高に楽しむレシピを逐次公開。ライブコマースによる買い物ツアーも検討しているという。

ポケットマルシェの珍しい深海魚は「驚きの食感」

最後が、全国に19万人の利用者がいるオンライン直売所「ポケットマルシェ」である。野菜や果物、肉などを幅広く扱っている同サービスには、漁師も多く登録している。多くが水揚げしたばかりの魚を漁港で梱包し、注文者に直送している。

今回注文したのは「岩手の鮮魚セット」(税込み2832円)。岩手県三陸海岸の尾崎白浜漁港から送られてきたのは、タラの仲間であるエゾイソアイナメ(通称ドンコ)やキツネメバル(通称マゾイ)など東京のスーパーではなかなかお目にかかることが無い珍しい魚ばかりだ。

これらの魚を水揚げした第三漁裕丸の佐々木洋裕さんによると、エゾイソアイナメがイチ推しだという。小島シェフはフリットにすれば新鮮さが引き立つと考えた。酒と薄口しょうゆに漬け込んで、片栗粉をまぶして揚げることにした。東北では唐揚げにすることが多いそうだ。

実際に食べてみると今までに食べたことが無いふわふわした歯触りが新感覚。シェフも「ドンコは以前仕入れたことがあったが、今回届いたのは今までで最も、ものが良い。簡単においしいフリットに仕上がった」と評価する。

(日経トレンディ 高田学也、写真 中本浩平)

[日経トレンディ2020年8月号の記事を再構成]

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