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「毎日チョコ」生活4年 ブログで発信、趣味が副業に

仕事と遊びの境界線をなくす「公私混同力」のススメ(12)

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NIKKEI STYLE

「キャリア迷路(モヤキャリ)」から抜け出すためのコミュニティーを主宰する池田千恵氏は、会社員で責任ある仕事を続けたままでも、趣味を究めて収入を得る働き方は可能と説きます。会社員をしながら趣味でチョコレートに関するブログを毎日更新、4000種類以上のチョコを食べ、チョコ関連の原稿執筆やイベント登壇もしている荒木千衣さんに、きっかけや時間術、趣味と仕事の相乗効果について聞きました。

荒木千衣さん
東洋経済新報社 マーケティング部門に所属。雑誌、本、オンライン媒体などの企画販促を担当。2016年5月より、趣味で「1日に2~3種類、食べたことのないチョコレートを食べる」生活を始め、毎日ブログを更新。今までに食べたチョコは4000種類以上に。コツコツと続けた結果、ブログ経由で取材、雑誌インタビュー、イベント登壇などの仕事の依頼がくるようになる。社外ではもちろん、社内でも「チョコ通」として知られるようになり、チョコを求めて国内のほかバルト3国、キューバ、メキシコ、オーストラリア、タイなどにも訪れる「チョコ旅」も趣味としている。

「100人に1人」チャレンジの第一歩が「チョコ」だった

――荒木さんは会社員をしながら趣味のチョコでメディアにも登場されています。チョコを探求するに至ったきっかけは何でしたか?

コミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之さん(以下、さとなおさん)が主催するコミュニティーに参加したのがきっかけでした。1000人に1人や1万人に1人を目指して頑張るより、100人に1人になれるくらい詳しい何かを複数持つことを目指すほうが、変化が激しい時代に合っている、だから「100分の1」をいくつか作るといいよ、という話をさとなおさんがされたのです。

そしてコミュニティーでの飲み会で「今年の抱負」宣言タイムがあり、さとなおさんの話にちなんで当日誕生日の人が「○○の分野で100人に1人の存在になる」と宣言しました。それに便乗して、その場のノリで私も「100人に1人」になるために、何かを始めようと思いました。

せっかく始めるなら続けられないともったいないということで、何にしようかと、仲間うちでアイデア出しをしました。そこで以下のような条件で絞り込んでみることにしました。

・好きな食べ物で
・毎日やっていて楽しくて
・世界中にあって
・日持ちして
・持ち運びできて
・年中手に入るもの

そこで思い浮かんだチョコに狙いを定め、チョコの世界で「100人に1人」を目指そうと思いました。

――思いつきではなく、続けられそうなものをしっかり吟味したのですね。長く続けられるためには最初が肝心だと感じました。

みんなでアイデア出しできたのがよかったですね。毎年年始に目標を立てるのですが、「いい人生にしたい」と漠然と思いながらも、年末振り返ると毎年仕事中心で終わってしまっていたなと感じていました。仕事は楽しいけれど、あっという間に過ぎていく1年に、「これで私は定年まで迎えるのだろうか」と違和感がありました。また、コツコツと続けることに苦手意識をもっていて、そんな自分を変えたいと思いました。

目標は1年間に1000種類、つまり1日最低3種類のチョコを食べることにしました。やったことを記録に残したいのでブログも毎日続け、正直な感想を書こうと思いました。全くの未経験からブログを書き始めたので、最初は操作方法や、写真をアップする方法もわからず、1記事に1時間くらいかかり、これは大変なことを始めてしまった……と感じました(笑)。

1日3種類も食べると、コンビニのチョコはあっという間に制覇してしまいます。次に百貨店や専門店に行くことになり、そこで気づいたのは「チョコは高い!」ということでした。高級ブランドのチョコは1粒数百円レベルが当たり前なので、これはお金をためなければと思いました。買いたいときに迷いなく買えるようにするために、「チョコ貯金」として、毎月のお給料から強制的に8万円天引きすることにしました。

「運動・食べる・寝る」以外は削ってチョコ時間確保

――給与天引きでチョコ貯金まで! 確かに予算確保は続ける上で大切ですね。チョコのための時間を作る工夫や、家族の協力はどのようにされましたか?

何かに時間をかけると、やはり何かを削らなければいけないので、生活に優先順位をつけるようにしました。具体的には「運動・食べる・寝る」を最優先にして、それ以外は大体できてればOK、とざっくり考えました。ブログを毎日続けるために、時間があるときに写真のストックをつくったり、ブログを書きためたりしました。チョコの購入もルーティン化しました。

実は最初「チョコの食べすぎで病気になるのでは」と夫に反対されました。でも2~3カ月毎日コツコツとブログを書いているところを見て「そこまで頑張っているなら」と応援してくれるようになりました。「食べる、寝る」を最優先にすることにも夫は協力的でした。食事は1週間の献立をまとめて決めるか外食で、掃除しにくいところは外注と割り切ることができました。

就業規則を確認し副業を会社にも相談

――最初は趣味で始められたチョコ活動ですが、仕事になり始めたのはどのタイミングでしたか? 会社にはどのように相談しましたか?

ブログを始めてから1年半以上たって、ブログ経由で仕事の連絡をもらうようになりました。就業規則を確認したところ、競合他社で今と同じ仕事をするのは禁止でしたが、ガチガチの副業禁止ではないことがわかりました。そこで総務の話しやすい人に、「基本的に半休・全休・土日でチョコ活動したい」と相談したところ「まあ、それなら大丈夫じゃない?」ということでした。もともと「人生100年時代」を広めたリンダ・グラットン教授の『LIFE SHIFT』を弊社で出版していることもあり、理解がありました。

他には、会社での自己紹介でチョコの話をしたり、ひとりで食べきれないチョコを会議などで配ったりしています。オープンにすると情報が集まるので、社内でチョコ情報を教えてくれる人がいたり、SNS(交流サイト)でのチョコについての発信に社内の人たちがいいね、を押してくれたりするようになりました。

週末に来週のスケジュールを確認、趣味の時間を確保

――会社公認で応援されながら活動ができてすてきですね。仕事とチョコ活動の両立は、具体的にはどのようなスケジュールでされていますか?

基本的に土日とお昼休み、就業時間後をチョコの時間にしています。イベント参加などがあるときは全休・半休で対応しています。

時間を作るための工夫としては、まず土日のうちに、来週のスケジュールを確認します。そこで「来週は忙しそうだ」とわかったら、土日のうちに、ブログを書きためるなど、前倒しでチョコ関連の準備をしておきます。他に工夫としては、月に1度以上有給休暇を取って、チョコに限らずリフレッシュして好きなことをして過ごす日を作っています。

平日はお昼の時間と、寝るまでの時間でチョコ情報を調査したり、ブログ用の写真撮影をしたりしています。最近はチョコ辞典を英訳してチョコと英語の勉強を同時にすることにもチャレンジしています。また、体調管理のためにジムの時間は欠かさないようにしています。

強制的に頭切り替え、仕事に取り組めるように

――荒木さんのお話を聞くと、「好き」が高じると本当に仕事になるんだな、と勇気をもらえます。本業との相乗効果を感じる場面はありますか?

仕事に加えて打ち込めることがあるおかげで、失敗にくよくよしなくなりました。以前は夢に仕事の失敗が出てきてうなされるくらい、うまくいっていないことを引きずってしまうタイプでした。今さらどうしようもないことを含めて。暇さえあれば考えていました。今は仕事から強制的にチョコレートに頭を切り替えられるので「なるようにしかならない!」と割り切れるようになりました。

実務的なメリットも大きかったです。雑誌で記事を書いたり監修したり、イベントに登壇したりすると、運営側とのやりとりがわかります。今までは参加者や、運営者としてイベントに関わることはありましたが、登壇者として関わることで、スケジュールや進め方、コミュニケーションの取り方などを学んだり、取り入れることができたりしています。

また、一歩ずつ進めば、とりあえず山を登り続けることができるとわかったのは大きな収穫でした。年末に「今年もおいしいチョコにめぐりあえたなあ」と思うと満足感につつまれて、人生が楽しくなりました。

大切な人にプレゼントするときに「どのチョコがいいか」を相談されたり、「どんなチョコが自分に合うか」と聞かれたりするのがうれしいです。「おいしかったよ」が最高の褒め言葉です。発信し続けたことで、出張や旅行のお土産にチョコをもらえて新しいチョコを知ることができたり、「これ知ってる?」と情報を教えてもらえたりして、さらに知識が深まりました。

――仕事と趣味で頭を切り替え、バランスが取れた上に相乗効果もあるとは、よいことだらけですね。今日はお話を聞かせてくださりありがとうございました!

吟味・仕組み化・発信で趣味は仕事化できる

お話を聞く限りでは、継続が苦手だったとはとても思えないくらい精力的に活動されている荒木さん。荒木さんのお話で趣味を仕事化するためのコツは「吟味・仕組み化・発信」の3つだと感じました。

1.続けられそうなことを吟味する
・好きな食べ物/日持ちするもの/持ち運べるもの/年中あるもの、など
2.続けざるを得ない状態を仕組み化する
・コミュニティー内で宣言
・家事や掃除を割り切る
・チョコ貯金で資金確保
3.目に見える進捗のために発信する
・毎日絶対何があっても続けると決める
・1年で1000種類→1日3種類、とにかく食べると決め、毎日書く

何かコツコツと続けて達成感を得たい方、やってみたいことがあるけれど続けられる自信がない方、会社の仕事に加えて打ち込める何かがほしい方、さらに仕事の幅を広げたい方は、ぜひ荒木さんの行動を参考にしてみてください。応援しています!

池田千恵
朝6時 代表取締役。朝イチ業務改善コンサルタント。慶応義塾大学卒業。外食企業、外資系企業を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築しているほか、個人に向けては朝活でキャリア迷子から抜け出すためのコミュニティー「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。10年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。

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