「毎日チョコ」生活4年 ブログで発信、趣味が副業に仕事と遊びの境界線をなくす「公私混同力」のススメ(12)

2020/8/27
「チョコ活」が趣味から仕事に(写真はイメージ=PIXTA)
「チョコ活」が趣味から仕事に(写真はイメージ=PIXTA)

「キャリア迷路(モヤキャリ)」から抜け出すためのコミュニティーを主宰する池田千恵氏は、会社員で責任ある仕事を続けたままでも、趣味を究めて収入を得る働き方は可能と説きます。会社員をしながら趣味でチョコレートに関するブログを毎日更新、4000種類以上のチョコを食べ、チョコ関連の原稿執筆やイベント登壇もしている荒木千衣さんに、きっかけや時間術、趣味と仕事の相乗効果について聞きました。

荒木千衣さん
東洋経済新報社 マーケティング部門に所属。雑誌、本、オンライン媒体などの企画販促を担当。2016年5月より、趣味で「1日に2~3種類、食べたことのないチョコレートを食べる」生活を始め、毎日ブログを更新。今までに食べたチョコは4000種類以上に。コツコツと続けた結果、ブログ経由で取材、雑誌インタビュー、イベント登壇などの仕事の依頼がくるようになる。社外ではもちろん、社内でも「チョコ通」として知られるようになり、チョコを求めて国内のほかバルト3国、キューバ、メキシコ、オーストラリア、タイなどにも訪れる「チョコ旅」も趣味としている。

「100人に1人」チャレンジの第一歩が「チョコ」だった

――荒木さんは会社員をしながら趣味のチョコでメディアにも登場されています。チョコを探求するに至ったきっかけは何でしたか?

コミュニケーション・ディレクターの佐藤尚之さん(以下、さとなおさん)が主催するコミュニティーに参加したのがきっかけでした。1000人に1人や1万人に1人を目指して頑張るより、100人に1人になれるくらい詳しい何かを複数持つことを目指すほうが、変化が激しい時代に合っている、だから「100分の1」をいくつか作るといいよ、という話をさとなおさんがされたのです。

そしてコミュニティーでの飲み会で「今年の抱負」宣言タイムがあり、さとなおさんの話にちなんで当日誕生日の人が「○○の分野で100人に1人の存在になる」と宣言しました。それに便乗して、その場のノリで私も「100人に1人」になるために、何かを始めようと思いました。

せっかく始めるなら続けられないともったいないということで、何にしようかと、仲間うちでアイデア出しをしました。そこで以下のような条件で絞り込んでみることにしました。

・好きな食べ物で
・毎日やっていて楽しくて
・世界中にあって
・日持ちして
・持ち運びできて
・年中手に入るもの

そこで思い浮かんだチョコに狙いを定め、チョコの世界で「100人に1人」を目指そうと思いました。

――思いつきではなく、続けられそうなものをしっかり吟味したのですね。長く続けられるためには最初が肝心だと感じました。

みんなでアイデア出しできたのがよかったですね。毎年年始に目標を立てるのですが、「いい人生にしたい」と漠然と思いながらも、年末振り返ると毎年仕事中心で終わってしまっていたなと感じていました。仕事は楽しいけれど、あっという間に過ぎていく1年に、「これで私は定年まで迎えるのだろうか」と違和感がありました。また、コツコツと続けることに苦手意識をもっていて、そんな自分を変えたいと思いました。

目標は1年間に1000種類、つまり1日最低3種類のチョコを食べることにしました。やったことを記録に残したいのでブログも毎日続け、正直な感想を書こうと思いました。全くの未経験からブログを書き始めたので、最初は操作方法や、写真をアップする方法もわからず、1記事に1時間くらいかかり、これは大変なことを始めてしまった……と感じました(笑)。

1日3種類も食べると、コンビニのチョコはあっという間に制覇してしまいます。次に百貨店や専門店に行くことになり、そこで気づいたのは「チョコは高い!」ということでした。高級ブランドのチョコは1粒数百円レベルが当たり前なので、これはお金をためなければと思いました。買いたいときに迷いなく買えるようにするために、「チョコ貯金」として、毎月のお給料から強制的に8万円天引きすることにしました。

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「運動・食べる・寝る」以外は削ってチョコ時間確保