結婚をお金の面から見てみると……実は「高コスパ」?

2020/8/25

結婚のメリットは共働きが大前提

ただし、3つの理由のうち2つ目と3つ目は、共働きであることが前提です。

結婚しても、妻が専業主婦だと経済的なセーフティーネットにならないし、夫の扶養の範囲内で働くパートタイマーでも、このメリットが小さくなってしまいます。

公的年金のうち、老齢基礎年金は専業主婦やパートタイマーでも受け取れますが、フルタイムで働き続けると老齢厚生年金額のほうが高くなります。ですから、妻が厚生年金に加入する働き方をして老齢厚生年金を多く受け取ることが、老後の世帯収入をアップさせることにつながります。

「貯蓄ゼロ婚」はNG

このように、お金の面ではシングルでいるより結婚したほうがよいのですが、避けたいのは「貯蓄ゼロ婚」。

結婚して共働きするつもりでいても、妻が妊娠すると産休・育休中は収入が減ります。保育園の都合などですぐに仕事に復帰できないことも考えられます。そうなるとしばらくの間は夫1人の収入だけで家計を維持していかなければなりません。

夫の貯蓄がゼロということは、それまで収入のすべてを自分1人のために使ってきたわけですから、それで家族3人の生活費を捻出するのは難しいでしょう。

そのうえ妻にも貯蓄がなかったら、家計が破綻することにもなりかねません。

そこまで至らなかったとしても、子どもが生まれれば教育費がかかり、マイホームを買うことになるかもしれず、できれば少しずつ老後資金づくりもしておきたいですよね。

でも、結婚したときに貯蓄がなかったら、教育費、住宅費をゼロから用意しなければならず、老後資金をつくるゆとりがなくなります。「貯蓄ゼロ婚」のしわ寄せは老後の生活にも及ぶのです。

結婚するときは、お互いの貯蓄額を知らせ合うこと、もし貯蓄が少ないようだったら、結婚するまでにできる限りためておくことが大切です。

結婚するときにお金を使いすぎない

これから結婚するというカップルが相談に訪れたことがありました。

女性のほうは、これまでいくつもの友人の結婚式に招かれていて、それと同程度の結婚式を挙げたい。でも、2人ともあまり貯蓄がなく、男性のほうは結婚式にお金をかけ過ぎたくない、というのです。

ファイナンシャルプランナー(FP)の私としては当然、結婚式にかけるお金はできるだけ抑えて、貯蓄を温存したほうがよいとアドバイスしましたが、女性のほうは納得していないようでした。

結婚式だけでなく、新婚旅行や新居の家具や家電の購入など、結婚するときには何かと物入りです。2人の貯蓄や親からの援助なども含めて、どのくらいお金をかけられるのかをしっかり計算して予算を決め、その範囲内でできることをする、というのが望ましいといえます。

お金のことで意見が合わず、それが夫婦げんかの原因になることも多いもの。結婚する前、あるいは結婚直後にお金に関する考え方や貯蓄の方針などを話し合い、日ごろのお金の管理の仕方を決めておくことが大切です。結婚はゴールではなくスタートなのですから。

馬養 雅子(まがい・まさこ)
オフィス・カノン代表。ファイナンシャルプランナー(CFP)、1級ファイナンシャルプランニング技能士。千葉大卒。法律雑誌編集部勤務、フリー編集者を経て、ファイナンシャルプランナーとして記事執筆、講演などを手掛けてきた。著書に「だれでもカンタンにできる資産運用のはじめ方」(ナツメ社)など。http://www.m-magai.net
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