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資格試験の中止・延期相次ぐ 若者のやる気、保つには

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの感染拡大で、今年予定されていた資格試験の多くが延期や中止となっています。就職やキャリアアップの障害になるため、学校現場などには不安も広がっています。影響を最小限にとどめるには何が必要でしょうか。現場や専門家の声を聞いてみました。

8月中旬、東京都立墨田工業高校(東京・江東)には約10人の生徒が試験対策で集まっていました。例年は5~6月に開かれる第2種電気工事士の上期試験は、新型コロナの影響で中止になりました。10~12月に下期の試験は開かれる予定ですが、杉浦文俊校長は「一発勝負となる3年生には厳しいスケジュールになる」と話しています。

来春卒業の高校生の就職採用試験は、例年より1カ月遅れの10月16日が解禁です。資格を手に満を持して就職試験に臨むことがかなわない生徒も出てきそうです。杉浦校長は「就職は資格だけでは決まらないので、生徒を動揺させない心のケアに力を入れている」といいます。

政府も頭を悩ませています。国家検定制度に基づく技能検定は、今年度前期分が中止となりました。対象は「造園」「機械加工」など57職種です。年度内の実施を模索している職種もありますが、会場確保の問題などで難しいケースも出そうです。このため厚生労働省は「技能検定に合格していない生徒が採用選考で不利にならないように」と、経団連などを通じ企業に要請しました。

キャリアアップへの影響は世界中に広がっています。112カ国を対象にした国際労働機関(ILO)の調査では、18~29歳の若者の38%が将来のキャリア形成に不安を感じていました。雇用や教育機会の減少は、オンライン環境の乏しい低所得者ほど顕著にみられたようです。ILOは8月にまとめた報告書で、「若者への集中的な支援が必要だ」と訴えました。

日本ではバブル崩壊後に就職率が低迷。「就職氷河期世代」という言葉も生まれ、その影響は現在まで続いています。日本経済の生産性を研究する学習院大の滝澤美帆教授は「特定の世代がキャリア形成を閉ざされれば、新たな氷河期世代が生まれかねない。企業や大学は採用・入学試験の受験資格を柔軟に改めるなどの対応をとるべきだ」と話しています。

当事者はどんな心構えを持てばいいでしょうか。メンタルヘルスに詳しいランスタッドEAP総研の川西由美子所長は「何のために資格をとるかをもう一度考え直してみては」とアドバイスしています。資格をとる"目的"に思いを巡らすことは、勉強のやる気を維持し、新たな道を探るきっかけにもなるそうです。

滝澤美帆・学習院大学教授「慣れと継続が生産性上げる」

コロナ禍で断たれたスキルアップの機会をどう捉えたらいいのでしょうか。日本経済の生産性を研究する学習院大の滝澤美帆教授に聞きました。

――資格試験の中止や延期は経済にどう影響しますか。

「例えば日本の大学や大学院を受験する外国人の多くは、日本語能力試験の結果の提出を求められてきました。今年は能力試験の一部が中止になったことで、留学生の受け入れが滞ってしまう恐れがあります。そうなると優れた外国人材が経済の生産性を上げる道も閉ざされてしまいます。日本人でもコロナの時期にキャリアアップを阻まれた世代が、長期的な経済的リターンを失ってしまう事態は十分にありえます。(バブル崩壊後に就職率が低迷した)『就職氷河期世代』のような世代を生まないようにしないといけません」

――どのような対応が必要でしょうか。

「留学生を受け入れる大学なら、日本語能力試験の過去の結果を受け入れ可否の判断に用いたり、試験結果と同等の能力を認めたら受け入れたりするなど弾力的な対応が求められるでしょう。企業も同じです。対面での研修ができないなら、リモートでの研修に切り替える工夫をすることで、スキルアップの機会の確保に努めるべきです」

――コロナ禍は全体として日本経済の生産性にどう影響するでしょうか。

「コロナ前から日本は他の先進国と比べて生産性が低く、伸びも鈍いものでした。その理由の1つと考えられるのが、人材投資がバブル崩壊後に細ったことです。社員を海外の大学院で学ばせたり、各種の研修に派遣したりするなどの人材投資は過去30年、低水準が続いてきました」

「コロナ後のポイントになるのはデジタル化への対応でしょう。日本企業は在宅勤務やビデオ会議の質を向上させるため、どこまでIT(情報技術)投資や組織変革をできるでしょうか。コロナが終われば以前のような仕事に戻れると思っている人が多いと、必要な投資や人事制度の改革に踏み切れません。その意味でコロナを機に、全体で一気にデジタル化への対応を進めることが、長期的な生産性の向上にとって重要になると思います」

――ちなみにご自身の生産性は在宅勤務でどう変わりましたか。

「授業が完全にリモートに切り替わったことが最大の変化でした。リモート授業には移動時間が無駄にならないなど、生産性にとってプラスの効果があります。確かに今年は初めての試みのための準備が大変でした。しかし来年度以降もリモート授業を続けられれば、今年の投資を生かすことができます。私も学生も慣れてくるでしょうから、その効果も生産性を上げてくれるでしょう。投資や研修も一定期間は継続することが、生産性向上のために大切だと考えています」

(高橋元気)

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