Men's Fashion

楽してダンディー 「わがままシャツ」でリモート映え

女がときめく男の装い

ファッションディレクター 清水久美子

2020.8.28

ぎこちなかったテレワークも、数カ月がたてば慣れたもの。ひげをそって、コーヒー片手にパソコンをオン。「やあ、おはよう」と、スタッフたちにあいさつしZoomで会議を始めます。そんな適応力にあふれた態度は、女性にとっては「…頼りになるんだから…」と、かなりの好印象。モニター越しでも映える化粧は欠かさずに、上司のカップの趣味などチラ見。「意外や北欧風?」などと好奇心を満たしつつ、スッと会議に臨みます。




そんな丸の内な女性たちですが、実はここ最近、彼女たちを悩ます現象が浮上しています。そう、それが在宅に適応しきった男性のゆるいファッション。

「もうたくさん」 モニター越しのポロ・Tシャツ祭り

家にいるのですから、カジュアルになるのは当然ではあります。さらに夏です、暑いです。と、いうわけで、モニターの中はゴルフ場さながらのポロシャツ、もしくはTシャツ祭り。憧れの上司の在宅ファッションにときめいていた女性たちも、このルーティーンには、やや辟易(へきえき)。

そもそもダンディーな装いに目がないのが女性というもの。目の正月の機会が減っているこの現状を、「…なんだか最近ときめきがないのよ」、と女同士のリモート飲みで、つぶやきあったりしています。

ですが、ここで一計。周囲のライバルがやすきに流れている状態であることは、考えようによっては一種のチャンス。今、女性たちのお眼鏡にかなうスタイリッシュな装いを心がければ、楽々に高得点。例えば、ポロシャツをきりっとしたシャツに変えるだけでも、モニター越しに存在感が際立つという、おいしい潮目だったりするのです。

けれど、「ん~、とはいえねえ…」とは、すっかりカジュアル慣れしたダーリンのセリフ。机の下の短パン姿も板につき、オンビジネスでも“楽ちん”に味をしめてしまった今、きちんとした装いは出社の時で十分という気持ちになるのも、無理からぬこと。「着てて楽ちんで、ダンディーな印象のシャツがあれば、まあ、ね」と、わがままな妄想を抱きます。

実はあるんです。おいしいとこ取りで、リモート映えする“楽ちんダンディー”なシャツが!