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任天堂のミニゲーム 縄跳びだけでも世界で人気

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日経クロストレンド

ゲーム市場では安価なミニゲームが人気を集めている。「エア縄跳び」をするだけの『ジャンプロープ チャレンジ』、将棋やチェス、リバーシなどの定番ゲームを収録した『世界のアソビ大全51』など内容はごくシンプル。なのに人気の理由とは? ゲームジャーナリストの野安ゆきお氏が解説する。

自宅でエア縄跳び

任天堂がNintendo Switch用のダウンロードソフトとして期間限定で無料配信し、ひそかに人気を呼んでいるゲームがある。それが『ジャンプロープ チャレンジ』だ。これは、エアギターならぬ「エア縄跳び」をするゲーム。Nintendo Switchから取り外した2つの「ジョイコン」(Nintendo Switch用のコントローラー)を左右の手で握り、それを縄跳びのロープの柄と見なして、回しながらジャンプする。すると、ジャンプした回数がカウントされていくだけという、シンプル極まりない内容だ。

期間限定の無料ゲームということはあるものの、これが世界で予想以上の人気を博した。任天堂によると、2020年6月16日の配信開始からわずか10日間で、世界中のプレーヤーの合計ジャンプ回数は5.9億回に到達。世界中の人々が、自宅で縄跳びを始めたのである。

念のために補足しておくと、ジャンプロープ チャレンジにはジャンプした回数に応じてストーリーが進む、といったゲーム的な要素がまったくない。プレーヤーに縄跳びすることを積極的に促すような要素が何もないのだ。ミニゲームというよりも、カウンターに近い。それが、同じ任天堂の大ヒットゲーム『リングフィット アドベンチャー』との大きな違いと言っていい。

ではなぜこんなシンプルなゲームが愛されるのか。むしろ、このようなゲームだからこそ、アフターコロナ/withコロナと呼ばれる時代に支持されたのだろうと筆者は考えている。世界中の人々の生活スタイルは新型コロナウイルスの感染拡大で変化した。以前より外出を避ける人が増え、多くの企業がリモートワークを推奨するようになった。自宅で過ごす時間が、以前よりも確実に長くなった。

そんなとき、「余った時間に、ちょっとしたミニゲームはいかがですか?」とばかりに、任天堂が素早く提供したのが『ジャンプロープ チャレンジ』だ。誰もが理解できる単純な内容に、無料という手軽さ。これが「運動不足解消のために運動したほうがいいかなぁ」と感じていた人たちの背中を押し、「時間もあるし、やってみるか」という気持ちにさせたのである。

単価80円未満のゲームを51種も収録

20年6月5日に発売された『世界のアソビ大全51』(任天堂)も、自宅で過ごす時間が増えたwithコロナ時代にぴったりのゲームと言えるかもしれない。

これは世界中から集めた51ものゲームを詰め込んだソフトだ。将棋、マージャン、チェスといった世界規模で楽しまれているゲームに加え、トランプの定番「大富豪」や「テキサスポーカー」、アフリカ大陸の伝統ゲーム「マンカラ」、世界最古のボードゲーム「ナインメンズモリス」、欧州のすごろく「ルドー」などが収録されている。こちらも世代を問わず、人気が高い。発売から1カ月近くたった20年7月12日時点の累計販売本数は21万5305本で、じわじわと売れ続けるロングランヒットになりそうだ。

このゲームの特徴は、何と言ってもお得感だろう。1人でコンピューター相手に対戦することもできるし、家族や友人とNintendo Switchを持ち寄って遊んでもいい。ソーシャルディスタンスが気になる昨今に適したオンライン対戦も可能だ。これだけ多くのゲームを楽しめて3980円(税別)。1つ当たりの単価にすると80円未満になる。『ジャンプロープ チャレンジ』のように無料ではないものの、とてつもなく安いミニゲーム集なのだ。

昨今のゲームは、壮大な世界観を作り込んだ大作が多く、始めるときには"どっぷりとハマる覚悟"のようなものが必要だ。このため、二の足を踏む人も多い。その点、『世界のアソビ大全51』はルールを知っている有名ゲームばかりだし、1回のプレー時間も数分~数十分で済む。普段、ゲームに親しんでいない人でも「ちょっと手を出してみようかな」と思う手軽さがあるのだ。

ミニゲームが新しいユーザー層を掘り起こす

ここで注目すべきは、『世界のアソビ大全51』の的確な発売タイミングだ。熱心なゲームファンでない人に「ちょっと手を出してみようかな」という気にさせるこうしたソフトは、一般に年末年始に発売される(シリーズ前作のニンテンドーDS用ソフト『だれでもアソビ大全』は05年11月発売だった)。

しかし、『世界のアソビ大全51』は、新型コロナウイルスの感染拡大が世界的な問題になりつつあった20年春に突如発表され、6月5日に発売となった。もともと夏休み(あるいは年末)に向けて準備していたソフトを、時世を見て前倒し発売した可能性もありそうだ。

そして、このタイミングが売り上げに奏功した。というのも、熱心なゲームファンには、Nintendo Switchのメモリーを外付けのmicroSDカードで増設しておき、容量が小さなソフトはダウンロード購入して楽しむという人が多い。にもかかわらず、このソフトは発売直後にパッケージ版が品薄になった。これは、普段はあまりゲームに接しないライトな層が多く購入したことを意味する。withコロナ時代は、こうしたライトな購買層が、気軽に遊べるミニゲームなどによって掘り起こされるのかもしれない。

およそ10年ぶりにミニゲーム戦略が復活?

なお、任天堂のような有力プラットフォームホルダーが、『ジャンプロープ チャレンジ』のような無料あるいは安価のミニゲームを出すのは異例なことではあるものの、前例がないわけではない。

任天堂は09年、『ニンテンドーDSiウェア』と名付けた大量のソフト群を安価なダウンロード専用ソフトとしてリリースしている。ミニゲームのみならず、「電卓」「時計」といった実用系ソフトもこの中には含まれていた。

09年は、04年に発売された携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」が一通り普及したタイミングだ。家庭内には子供たちが遊ぶためのゲーム機がある。その一方で、親世代の中にはそれに触れたことがない人も多かった。親世代にもなじみを持ってもらうために任天堂が取ったのが、誰でも気軽に使えるソフトをゲームに限らず安価で提供するという戦略だったのだ。パッケージ販売が主流だった時代に、ダウンロードでソフトを購入するという新たな習慣に慣れてもらう狙いもあった。

それから10年ほどたった今、無料ソフト『ジャンプロープ チャレンジ』がリリースされたのは、なんとも奇妙な偶然といえる。09年は、新型インフルエンザ(H1N1)が大流行し、世界各国で休校措置が取られた年でもある。このときに取った「ゲームに慣れていない人向けに安価なミニゲームを提供する」という戦略が、新型コロナウイルスが世界的に流行している20年に再び登場したと考えることも可能なのだ。

(ゲームジャーナリスト 野安ゆきお)

[日経クロストレンド 2020年8月7日の記事を再構成]

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