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そうめん、コロナ・防災で消費拡大 流水マシンも好調

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NIKKEI STYLE

夏になるとむしょうに食べたくなる冷たいそうめん。今年は2つの理由からますます消費が拡大している。1つは新型コロナ感染拡大防止のための巣ごもり需要によるもの。もう1つは台風や地震など度重なる自然災害に備えた非常食としての需要である。

おうち時間の充実による食のエンタメ化で家庭用流しそうめん機の売り上げも好調だ。ソーシャルディスタンスを意識したものもあり、人気を集めている。今回は今、再注目されるそうめんに迫る。

三輪、小豆島とともに日本3大そうめんと称される播州そうめんの「揖保乃糸」。その生産者で構成される兵庫県手延素麺協同組合によれば今年、そうめんの出荷量は増加傾向にあるという。

「そうめんの販売形態として、スーパーなどで販売する家庭用の単品商品と百貨店などで販売する贈答用のギフト商品の2つがあります。単品商品は、主力商品である『揖保乃糸 上級品300g』の出荷が巣ごもり需要により春から好調に動き、昨年9月から今年7月までで前年比8%増で推移しています。5月時点で前年を上回るペースで、5月末から気温の低下や外出自粛解除により停滞しましたが、6月にはまた暑さが後押しした状況です」(兵庫県手延素麺協同組合営業部企画課の廣岡智子さん)。

ステイホームが推奨され、家で3食作るのにゆで時間が短く調理が簡単なそうめんに消費者が注目した形である。「コロナの巣ごもり需要で大きく影響を受けたのが価格的にも安価で内容量が多い機械麺の乾麺で、そちらがまず消費され、需要に供給が追い付かない状況下で手延べに移行したように思われます」(廣岡さん)

つまり、スーパーやコンビニでは最初に機械で製造された安いそうめんが売り切れ、揖保乃糸のような高級手延べそうめんに手が伸びたということのようだ。ギフト商品に関しては、百貨店の営業自粛などで苦戦が強いられたが、現在は前年比9割程度の状況とまずまず健闘している。

「『withコロナ』ということで新たな生活様式が浸透すれば、そうめんのような保存性がよく、調理も簡単なものが見直され、ギフトにも選ばれる可能性が高まるのではないか」と廣岡さんは予測する。

近年頻発する地震や台風などの自然災害に備えてそうめんをストックする家庭も増えている。というのも、そうめんはうどんなど、ほかの麺類に比べて賞味期限が長いのだ。兵庫県手延素麺協同組合のホームページによれば、麺類(乾麺)の賞味期限は、そうめん3年6カ月、ひやむぎ2年、うどん1年とある。なぜそうめんは賞味期限が長いのか。

「太めの麺は製造後、時間が経つと食感が硬くなり、よい喉ごしや食感が保たれにくく、ゆでる時間も長くする必要があります。一方、そうめんには、昔から1年熟成させた『古(ひね)』という商品があるように、麺が細いために熟成させたほうが麺がしっかりとしてコシが強くなる性質があるのです」(廣岡さん)

揖保乃糸では、通常のそうめんを「新」、管理の行き届いた倉庫で1年寝かせたものを「古」、さらに2年以上熟成させたものを「大古(おおひね)」と呼んでいる。今は品質管理や生産技術も向上しているので、その年にできた「新」もソフト感があるなかに、コシとつるみ感があり、おいしく食べていただけるそうで、そうめん通の中には「古」や「大古」を好む人も多いとか。

少ない資源で調理できるという点でもそうめんは防災食に向いている。災害時はできるだけ水や燃料を節約しなくてはならない。その点、そうめんは細く火が通りやすいので、わずかな燃料ですむ。

少量の水を沸かしてスープにし、その中にそうめんを入れて煮る「にゅうめん」なら、使う水の量も最低限でいい。そうめんをつゆにつけて食べる、いわゆる「もり」スタイルと違い、水でそうめんを洗う必要がないからだ。非常時のメニューとして是非覚えておきたい。

玩具・ぬいぐるみ・雑貨などの製造・販売を行うタカラトミーアーツ(東京・葛飾)では、ウオータースライダー型流しそうめんマシンの販売が好調だという。

「今年、昨年対比1.5倍の販売数を維持しています。夏に向けての商品なので、季節に合わせての盛り上がりというところもありますが、家の中で楽しみながら食事ができるツールという点ではコロナ自粛の影響も大きいと思われます」(タカラトミーアーツ事業企画部広報の中村佑子さん)

同社で最初の流しそうめんマシン「ビッグストリームそうめんスライダー」が発売されたのは2016年6月。遊園地のプールのウオータースライダーに着想を得たという。

「流しそうめんに玩具メーカーならではのエンターテインメント性・遊び要素を入れたマシンが作れないかと考えたのが開発に至ったキッカケです。そうめんがきれいに流れて見える角度やカーブを検証するのが一番大変でした。『東京サマーランド』(東京・あきる野市)に何度も通い、本物のスライダーの設計をされた方にその特徴を教えていただき、商品に反映することにこだわりました。」(中村さん)。

今年4月に発売された最新作「ビッグストリームそうめんスライダーカスタム」は、人数やテーブルサイズに合わせてスライダーパーツをカスタマイズできるもの。同社が販売している、レールを自由に組み合わせることができる鉄道おもちゃ「プラレール」の流しそうめん版とでもいおうか。

1人用から4~5人用のスライダーにカスタム可能だが、中でも「ソーシャルディスタンス」を意識した1人用の「シングルコース」に注目が集まっている。

「流しそうめんといえば大人数で楽しむイメージがありましたが、最新作では『ソロ流しそうめん』が楽しめるシングルコースもあることに多くの反応をいただきました。シングルコースをそれぞれ組み立てて親しい人たちと画面越しに流しそうめんを楽しみたいとの声もいただいております」と中村さん。

1人流しそうめんのオンライン飲み会、さぞかし盛り上がりそうだ。

さて、日本のそうめんの発祥は三輪そうめんのふるさと・奈良県桜井市だとされている。今からさかのぼること約1200余年前、この地方を納める日本最古の神社の1つ、大神神社のご神孫一族が、飢饉(ききん)と疫病に苦しんでいる人々の救済を祈願したところ、神託をたまわったとのこと。神からの啓示のままに小麦をまき、その粉を水でこねて延ばしたものがそうめんの始まりなのだとか。

疫病救済祈願から生まれたそうめんが、今の時代、新型コロナウイルスという疫病が流行する中で人々を料理のわずらわしさから救済してくれたり、楽しませてくれたりしている。偶然の一致かもしれないが、非常に興味深い。今日も疫病救済を祈りながら、そうめんをいただくとしよう。

(ライター 柏木珠希)

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