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「8864」では、クリーミーな生地でワインが進むたこ焼きを提供

しかし、どうやってワインとたこ焼きのペアリングを思いついたのだろうか?

「うちの生地のクリーミーさは白ワインに合いますし、塩で食べるたこ焼きはスパークリングワインと、ソースをかければ赤ワインとも相性が良い。またたこ焼きも具材を変えれば大きく変化するので、ブドウの品種や産地別にバラエティー豊富なワインとの組み合わせは無限大なのです。『たこ焼きにはビールかハイボール』と決めるのはもったいないですし、今後もいろいろ挑戦して『たこ焼き=関西のB級グルメ』という世間のイメージを崩していきたいです」(野一さん)

銀座8丁目のクラブ需要やサラリーマンにも人気「元祖どないや 銀座店」

3店目は銀座のまさにど真ん中、銀座8丁目のクラブ街にある「元祖どないや 銀座店」だ。銀座の中心だが提供するのはもちろん、純関西風のたこ焼きだ。大阪・梅田に本社があり、大阪近郊をはじめ北海道から沖縄まで全国の支店で提供している。だし(カツオベース)や大ぶりのタコなど素材にこだわり、焼き方もふわっと軟らかく仕上げる。ユニークなのは生地に使う粉の製造方法。いかにも大阪流らしく、オリジナルのミックス粉を作る際、“漫才を聞かせながら”ブレンドすることでよりおいしいタコ焼きの元ができるそうだ。

同店の人気のたこ焼き上位3メニュー「ソース」「しおマヨネーズ」(各750円・税込み)「明太子マヨネーズ」(850円・税込み)をビールと一緒に味わう。漫才の効果(?)は分からないが、カツオだしが香る軟らかい生地が、ギリギリのところでコシを残し球状を保っているような繊細さでとてもおいしい。ソースやマヨネーズの濃厚な味、めんたいこの辛さとも合って、何個でも続けて食べられそうだ。

場所柄、店近隣の高級クラブへのデリバリー需要や、同伴時に利用する客が中心だが、サラリーマンが一人でたこ焼きをつまみながら飲んだり、自宅に持ち帰ったりするケースも多いそう。「飲み会前の軽い腹ごなしで寄ったつもりが、タコ焼きがおいしくて注文しすぎて、満腹になってしまった」というネットの口コミもあった。

店長の加藤優さんによれば、「デリバリーはクラブのほか、銀座周辺のオフィスビルなどへの配達注文も結構あります」とのこと。張り詰めた会議の後、できたてのおいしいたこ焼きが到着したら、一気に気持ちがほぐれそうだ。

ちなみに同店では「浪花かすうどん」(各種900円~・税込み)も提供。牛ホルモンを使った大阪の名物うどんで、コクのあるスープにもちっとした麺がなかなかおいしい。ビールとたこ焼きを楽しんで、かすうどんでしめる男性客が多いというのも納得だ。

以上、銀座エリアで人気のたこ焼き店3店を紹介した。口当たりが軽くふわふわの生地にまず衝撃を受け、たこ焼きとはソースを付けなくても十分おいしい料理であること、酒との相性の良さ、しかも粉モノなのにどの店でも腹が膨らみすぎず、しみじみ満たされるのにも驚いた。B級グルメどころか、そこはかとなく奥深い食べ物なのである。今回紹介した店はすべてテークアウトも可能。コロナ禍でイベントも縮小がちなこの夏、「銀座でたこ焼き」でリフレッシュしてみては。

(フードライター 浅野陽子)


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