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テスラのフリーモント工場(米カリフォルニア州)。かつてはトヨタとゼネラル・モーターズ(GM)の合弁会社の工場だった=ロイター

テスラのフリーモント工場(米カリフォルニア州)。かつてはトヨタとゼネラル・モーターズ(GM)の合弁会社の工場だった=ロイター

日本を代表する企業として世界の注目を集め続けるトヨタ自動車。とりわけその価値観の中核にあるトヨタ生産方式(TPS)は、ハーバードビジネススクールをはじめ多くの経営大学院で教材となるなど、世界に与えた影響は大きい。米国のビジネス最前線でTPSと向き合うキーマン3人に、作家・コンサルタントの佐藤智恵氏が話を聞いた。3人目のキーマンは、テスラでエンジニアチームのリーダーを務め、ハーバードビジネススクールの学生でもあるアディ・ラグナサン氏だ。

◇   ◇   ◇

日本人より熱く語る

佐藤 ハーバードビジネススクールの日本人留学生から「日本人よりもトヨタ生産方式について熱く語る同級生がいる」と聞いて以来、ずっとお話をうかがいたいと思っていました。ハーバードビジネススクールが必修授業でトヨタ自動車の事例を取り上げていることには、どのような意義があると思いますか。

ラグナサン ハーバードビジネススクールの必修授業でトヨタ生産方式が取り上げられていることをとてもうれしく思います。特にトヨタ生産方式の基本コンセプトだけではなく、その背景にあるフィロソフィー(考え方)についても教えてくれたところがよかったです。

アディ・ラグナサン氏

アディ・ラグナサン氏

一方、その威力を目の当たりにした製造業出身者としては、「トヨタ生産方式が導入されている現場を見てもらえればさらに深く本質を学べるのに」とも思いました。トヨタ生産方式では「現地現物」を大切にしています。問題を解決するのも、学習するのも、進化するのも現場です。機会があれば、クラスメートにもトヨタ自動車の工場をじかに見てほしいと思います。

佐藤 そもそもラグナサンさんはなぜそれほどトヨタ生産方式について詳しいのですか。

インドの農機メーカーで出合う

ラグナサン 初めてトヨタ生産方式を学んだのは、2012年に農業機械メーカーのジョン・ディア・インディア(世界的な農業機械メーカー、ディア・アンド・カンパニーのインド支社)に入社したときです。新人エンジニアとして最初に配属されたのはインド西部のプネーにある工場でした。当時、ジョン・ディア・インディアの生産工場の現場では、トヨタ生産方式が日々のオペレーションの基本として導入されていたため、新人研修のカリキュラムにも組み込まれていたのです。研修ではトヨタ生産方式がいかに無駄をなくし、生産性を向上させるかなど、その効果についても学びました。

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