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進む学会のオンライン化 「時間節約」も乏しい交流

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、多人数が集まる会合やイベントの開催は依然、厳しい環境です。研究者が集まる学会や研究会の一部も中止や延期に追い込まれ、オンラインでの開催に切り替える動きが広がってきました。試行錯誤の中で利点と問題点が浮かび上がっています。

学会は、様々な大学や研究機関に属する研究者らが集まり、研究成果を発表したり、懇親を深めたりする場で、世界各地に存在します。例えば、日本の経済関連の学会では会員数が最大規模の日本経済学会は例年、春と秋に大会を開いています。会場は全国の大学で、大会ごとに場所を変えています。

今年5月の春季大会は当初、九州大学(福岡市)で開催する予定でしたが、急きょオンラインでの開催に切り替えました。参加者は各自のパソコン画面上でテーマ別の分科会に「入室」し、報告者と討論者の発表を視聴しました。質疑応答の時間もあり、分科会の流れは通常の学会と同じでした。

参加者の一人は「学会のために地方に出張するのはハードルが高かったが、オンラインになったので参加を決めた」と話します。「同時刻に開かれている複数の分科会の間を移動するハシゴがしやすかった」との声もあります。一方、「分科会の参加者の様子が分からず、発表者と聴衆が双方向で議論したという実感がわかない」(論文を発表した研究者)、「参加者の交流の場がなく、懇親会でのやり取りの中から新たな研究プロジェクトやアイデアが生まれるチャンスがない」といった指摘もありました。

日本金融学会、日本財政学会、行動経済学会といった学会も今秋以降、オンラインで開催する予定で、オンライン学会が標準になりつつあります。

学会以外でも、研究者がオンライン会議システムを活用する機会は増えています。神戸大学の小川進教授は「企業への聞き取り調査がオンラインで可能になり、出張の費用や時間をかなり節約できる。遠方に住んでいて、じっくりと意見交換できなかった研究仲間とオンラインで気軽に話し込むことも多くなった」と効用を実感しています。

東京大学の丸川知雄教授はオンラインで海外の研究者らと意見を交換できる便利さを感じている一方、研究対象の中国に出張できないのはつらいと率直に語ります。「地域研究を専門とする研究者にとって、現地の空気を肌で感じる機会は極めて重要だ」と考えているためです。通信技術の向上で改善できる問題と、そうではない問題を切り分けながら、研究の質を高める努力が求められます。

丸川知雄・東京大学教授「多いメリット、教育には課題も」

コロナ禍のもとで、オンラインでの研究・教育活動に積極的に取り組んでいる、東京大学の丸川知雄教授に、これまでの活動と研究への影響について聞きました。

――学会や研究会のオンライン化が加速しています。オンラインでどんな活動をしてきましたか。

「私は現在、東京大学の部局を横断して現代中国に関する研究チームを組織する目的で発足した『東京大学現代中国研究拠点』の運営委員長を務めています。同研究拠点は3~6月、コロナショックや中国経済をテーマとするオンラインセミナーを計5回主催し、私も討論者や司会として参加しました。初回の開催日の2週間ほど前に企画し、簡単に宣伝しただけですが、毎回、200~500人くらいが視聴しました、リアルなセミナーでは50~100人程度の参加を見込んでいました。オンラインのほうが人を集めやすいといえます。私個人としては中国の団体が主催した講演会、日本、中国と韓国を結ぶクローズドな研究会、米ブルッキングス研究所主催のセミナー、欧米の研究者グループの定期的な研究会にも参加しました。学会もオンラインでの開催が一般的になりつつあるようです」

――オンライン会合のメリットは。

「なんといっても物理的な距離を超えられるのは大きいです。国際会議で海外に行くのはそれ自体が楽しみではありますが、国内の学会などのために日本中を行き来するのは大変だと感じていました。オンラインになって格段に内外の会合への参加や開催がしやすくなりました。先日はベネズエラの外務副大臣が報告する会議にも参加できました。混乱と貧困のベネズエラというイメージとは異なり、市民の自治組織が活躍していることについて報告がありました。必ずしもそれを真に受けたわけではありませんが、日本での報道だけでわかったつもりになっていいのだろうか、という疑問は持ちました。こうして、気軽に地球の裏側の人ともつながれるのはすごいことです」

――課題はありますか。

「通信量と速度の制約はあります。東大のセミナーでは大きなトラブルはありませんでしたが、中国と結んだある会合では、トラブル解決のためにかなりの時間を費やしました。大学でも話す人以外はビデオを切るように、共有する資料は最小限にするように通達されています。ネットワークの容量がもっと大きくて、より精細な画像を見たり、多くの情報をやり取りしたりできればいいと思います」

――コロナ禍で研究活動に影響は出ていますか。

「予定していた海外出張がすべてキャンセルになったのは、つらいところです。私の専門は中国経済で、地域の研究者として現地に行き、五感で感じてくることは重要だと思います。5月くらいからようやく中国から新聞が正常に届くようになりましたが、中国の新聞を通じてわかることには限界があります」

――コロナ禍の収束が見通せないなか、研究・教育拠点としての大学のあり方は変わるでしょうか。

「大学の教育が果たしてオンラインだけでいいのかということは、とりあえず1学期の授業を終えただけですので、正直なところよくわかりません。もともとの学生の勉学意欲による教育効果の差が、オンライン化によってますます大きくなるように思います。勉学意欲を欠く学生に対する勉強への動機づけが難しいと思います。研究に関しては、もともと『3密』とは無縁な環境でやっていますので、実はあまり変化がありません。私自身についていえば、コロナ以前は家で仕事をするときはなんとなく後ろめたさがありましたが、コロナ禍によってそういう感覚が払拭され、仕事の効率がかえって上がったような気がします」

(編集委員 前田裕之)

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