模試でA判定連発 国立大中退して芸人目指したワケ編集委員 小林明

1年で飽きた島根大学の生活、バイト・マネジャー・慈善活動……

――信じてきたものが崩れたんですね。島根大学での生活はどうでしたか。

「受験勉強から解放され、学生生活をエンジョイしようと思ったんですが、1年ですぐに飽きました。教育学部のクラスメートたちは皆、教師になる夢について目をキラキラと輝かせながら熱く語っている。でも、私にはそういう夢がない。夢中になれるものがほしかった。焼肉屋のアルバイト、大学のラグビー部のマネジャー、陸上部……。色々と試しました。海外に憧れて、フィリピンの離島、カオハガン島にボランティア活動に行ったこともあります。でも『これだ』という夢が見つからなかった」

「途中で辞めてばかりの人生。自分はフワフワした頑固者。こだわりが強いくせにフワフワしているから」

――それで3年で島根大学を中退することに?

「はい。こうして過去を振り返ると、私って、つくづく途中で辞めてばかりの人生ですね。自分では『フワフワした頑固者』だと思っています。こだわりが強いくせにフワフワしているから……。旧友にも『史織は昔からまったく変わらないね』なんてよく言われます。真面目で不器用なので、変わりたくても変われないんです。でも、やりたいことが見つからないって、本当につらい。悩みが深まり、鬱っぽくなり、ストレスで激太りしてしまいました。高校時代はガリガリだったのに、あっと言う間にブクブクになってしまった」

「大学を中退した後、岡山で劇団に入り、さらに音楽に興味があったので大阪の専門学校に入ります。すると仲の良い友人がある日、『ワタナベエンターテイメントカレッジに受かったから東京に行く』と言い出した。『それなら私も行きたい』と一緒に上京したんです」

途中で辞めてばかりの人生、「昔からまったく変わらないね」と旧友

――芸人の道を歩み始めるわけですね。

「最初は歌手を目指していたんですよ。でも養成所の人に『君は歌手じゃないでしょう』と言われて、タレントコースに進みます。それで、お笑いライブを手伝っているうちに、ネタ合わせとか、反省会とか、お笑いの舞台裏で真剣に努力している芸人たちの姿を見て、『格好いい。私も仲間になりたい!』と感激。お笑い芸人を目指すことにしたんです」

――今年3月末で所属事務所を退社後、生活スタイルは変わりましたか。

「都内の小さなワンルームマンションで暮らしています。実は留学中の荷物置き場にしようと思って借りたマンションだったんですが、コロナ禍で留学が延期になったので、かなり狭いけど、とりあえずそこで寝泊まりしています。現在は語学学校でイタリア語の会話や文法を勉強中。時間の聞き方や答え方を習っているところです」

「睡眠は1日5、6時間で芸人時代と変わりません。仕事もそこそこ入ってきます。でも、貯金がそれほどあるわけではない。聞いたらビックリするほど少ないですよ。私は朝型人間なので、早朝に起きてジョギングしています。毎日5キロを30分かけて走るのが日課。あとはカフェに出かけたり、読書したり、日記を書いたり、料理したり……。自由に過ごしています」

男性ストリップや環境問題にも関心、来年4月にローマへ留学準備

――今後の抱負については。

「今後、どんな道を歩むのか自分でも分かりません。でも何らかの形でエンタメの仕事には関わっていたいですね。以前、ラスベガスで男性ストリップショーを見たんですが、男性をショーでどう輝かせるかについて興味があります。それからずっと封印してきた環境問題のことも改めて考えてみたい。留学はひとまず延期しましたが、来年4月にはローマに留学したいと思っています。そこでどんな未来が待ち受けているのか。ワクワクしながら準備を続けています」

(聞き手は編集委員 小林明)

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