では、具体的に半沢直樹のスーツスタイルとはどういったものか。一言でいえば、控えめ。

お洒落に言えば「アンダーステートメント」(目立たず上品な格好)な着こなしである。やはりサラリーマンとはいえ、そこはバンカーですからね。新橋駅前のSL広場でクールビズのマスク姿でコメントするオヤジリーマンとはちょっと違うのだ。

靴・ベルト・かばんは黒 そしてシャツは…

まずスーツ。いつも黒のスーツで、ボタンは2つボタン、太くもなく細くもない絶妙なラペル幅。パンツはノータックで裾はシングル仕上げで、ハーフクッション丈。ポケットチーフは挿さず、ちゃんと立っている時にはボタンは留めるという、基本的な所作も守っている。

白のレギュラーカラーのシャツがよく似合う(c)TBS

靴とベルトとかばんと腕時計は、黒で統一。かばんは大口開きのダレスバッグ、靴はひも靴(おそらく内羽根式のプレーントゥとかストレートチップ)、腕時計はスクエアのアラビア文字。倍返しのシーンでよく見せるスマホは、水戸黄門の印籠代わりである。

注目すべきはVゾーンだ。半沢直樹は白のレギュラーカラーシャツしか着ない。そして合わせるタイは、ほぼほぼ黒に小さめのドット柄か、シルバーとネイビーのレジメンタルタイ。ディンプル(えくぼ)を作らずにプレーンノットで締めている。ただし、勝負の時にはヨメの上戸彩から誕生日プレゼントでもらったパステルブルーのタイを着用する。ちなみに半沢直樹は帰宅してヨメと夕飯を食べる時でも、ジャージーなどには絶対に着替えずに、スーツの上着を脱いでタイだけ外して食事をしている。

賀来賢人が演じる森山(左)のスーツ は……(c)TBS

今回からレギュラーになった賀来賢人演じる部下のロスジェネ世代の森山のスーツスタイルの方が、むしろ今どきのビジネスマンっぽい。おそらく着ているスーツは量販店のつるしではなくツープライススーツだろう。タイは勝負でなくてもパステル系。上司が半沢直樹だったから何の心配もなかったが、半沢から離れてしまったらかばんもビジネスリュックに変えて、尾上松也演じるスパイラル社の瀬名社長と2人で銀座のコリドー街でナンパとかしちゃうに違いないぞ。

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