吉野家缶詰は「いつもの味」 普段でも食べたい防災食

日経トレンディ

エネルギーチャージと水分補給を兼ねる

避難生活において、食事は数少ない楽しみな時間の一つだ。甘いものでほっとする時間を設けるのも避難生活を乗り切る上で役立つ。「実際被災した人に聞くと、どの支援物資もありがたかったが、実は甘いものを食べたかったという声があった」(防災アドバイザーの岡本裕紀子氏)。ワンテーブルの「LIFE STOCK」はゼリー飲料で手軽にカロリーを補給でき、食欲のないときや、固形物を食べるのが難しい高齢者の間でも重宝されているという。

「LIFE STOCK」(ワンテーブル)実勢価格エナジータイプ321円、バランスタイプ181円(ともに税込み)
東日本大震災の被災時に、本当に必要とされたものをヒントに開発されたゼリー。カロリー摂取と水分補給という2つの目的が果たせる。1袋200kcalのエナジータイプと栄養バランスに配慮したバランスタイプの2種がある。賞味期限は5年半

優しい甘さが避難生活時の癒やしになる

井村屋の「えいようかん」も、優しい甘さで人気の逸品だ。ミニサイズのようかんで、普段からおやつとしておいしく食べられる。

「えいようかん」(井村屋)実勢価格594円(税込み)
1箱にミニサイズのようかんが5本入っており、賞味期限は5年と長い。避難生活では甘いものが心の支えとなることも多く、このようかんは1本食べるだけで171kcalがとれるため、災害時のエネルギー補給源として最適だ

いくら普段の食事に取り入れるからといっても、その保管場所には困ってしまいそうだが、「ローリングストックは普段使いの食品を災害時にも活用する方法のため、防災食の保管スペースを新たに確保する必要はない」(岡本氏)という。備蓄食をまとめて一カ所に置いておいた場合、建物の倒壊やドアの変形などによってその部屋に入れなくなる事態も想定されるからだ。ちょっとした隙間に少量ずつ、分散して置いておくのが賢いやり方になる。

調理器具なしで温かい食事がいつでも可能に

「レスキューフーズ 1食ボックス」(ホリカフーズ)実勢価格1023円(カレーライス、税込み)など
食品とその食品を温めるキットが一つの箱にまとめられている。発熱剤を入れた加熱袋に食品を入れて袋ごと箱にしまい、加熱袋に発熱溶液を注ぐと20分ほど蒸気が発生する。その後10分蒸らせば完成だ。カレーライスや中華丼などがあり、カレーライスは5年半、その他は3年半保存できる

封を切るだけで本格おでん

「イザメシ しっかりおでん」(杉田エース)実勢価格410円(税込み)
封を開けてそのまま食べられるレトルトパウチ入りのおでん。大根、玉子、大判揚げ、こんにゃく、ちくわ、たけのこ、牛すじ、結び昆布といった8種類もの具材が入っている。大根は煮崩れもなく満足度は高かった。水なしで食べられるが、少し濃いめの味付けのため、日常生活で酒のさかななどにしても相性がよさそうだ。賞味期限は3年

冷たいままでもおいしく食べられるカレー

「常備用カレー職人」(江崎グリコ)実勢価格3942円(3食、税込み)
東日本大震災の際に多く寄せられた「レトルトカレーは常温でも食べられるのか」の問い合わせを受けて開発された。冷たいままでも油が分離することもなく、おいしい。味は中辛に加え、子供用に甘口も用意。カレーライスだけでなく、パンに付けるなどカレーソースとしても非常時に活用できる。賞味期限は3年

(日経トレンディ 山口佳奈、写真 中本浩平)

[日経トレンディ2020年8月号の記事を再構成]

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