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エール取締役 篠田真貴子さん

エール取締役 篠田真貴子さん

comemo
次代を担う「旗手」は何を感じ、何を考えているのか――。日本経済新聞社が運営する投稿プラットフォーム「COMEMO」から、「キーオピニオンリーダー」が執筆したビジネスパーソンにも役立つ記事を紹介します。今回は、外資系企業大手から「ほぼ日」最高財務責任者(CFO)を経て2020年、オンラインで社外人材による「1on1(ワン・オン・ワン)」と呼ぶ1対1の面談を提供するベンチャー、エール(東京・品川)に転職した篠田真貴子さんに、50代だからできることについて語ってもらいます。

◇  ◇  ◇

長い人生のなかで、50代というステージの捉え方は人それぞれだと思います。でも「人生100年時代」、あと20年くらいは仕事をしている可能性が高いのではないでしょうか。そう考えると、50代や60代でも自分のキャリアプランを見直してみる必要があり、それにより今後の可能性を広げることもできると思います。

外資系大企業の中で感じていた閉塞感

マッキンゼー・アンド・カンパニー、ノバルティスファーマ、ネスレニュートリションといった、いわゆる外資系の大企業にいた私が、なぜ「ほぼ日」へ行ったのかを聞かれることがあります。その時の私の感覚を言葉にすると、「閉塞感を感じていたときに、見たことないものが現れたのでつかんでみた」というものでした。

当時、私が感じていた「閉塞感」にはいくつかの要素がありましたが、その一つは、2人の子どもをもったことで起きた、仕事に投入できる時間の減少です。

それまでの私は「起きている時間はすべて仕事」といえるほどの働きぶり。上昇志向も強く、仕事も好きでした。ところが2人の子どもの親であることが自分の第一ミッションになり、しかも子どもは私の都合などお構いなしなので、いつ何が起こるかわかりません。

仕事に使える時間が減ったからこそ、面白い仕事がしたいという気持ちが次第に強くなりましたが、大企業の中では自分だけの都合で仕事を調整することは難しい。いろいろ考えても、1日24時間の中に仕事のこと、子どものこと、それ以外の自分の好きなことはどうやっても収まらないと気づきました。

こうした環境の下、昇格して職位が上がっていくことに魅力を感じられなくなっていたことも、閉塞感の要因になっていました。

初めて管理職になったときは、自分が認められたような気持ちになってうれしかったものです。しかし、途中から、職位が上がって予算や部下が増えるものの、本質的な仕事の課題は変わらないということに気づきました。

大企業の中で職位が上がることをモチベーションにできなくなったら、サラリーマンとしては失格だと思いました。もし、転職を考えたとしても、結局外資系大企業にいくのであれば、業界は違っても同じ状況で仕事をすることは変わりません。ここから先、まだまだ働かなければならない中で、こんなにモチベーションが下がっていてはダメだと感じました。

そのタイミングで「ほぼ日」の話をいただいたので、「どうなるかわからないけど、自分に見えていた選択肢とはまったく違うものでやってみたい」と思いました。

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