ドラマ『MIU404』 アンナチュラルを引き継ぐ

綾野剛と星野源がW主演しているTBSのドラマ『MIU404』(読み:ミュウ ヨンマルヨン)。警視庁の機動捜査隊に、架空の第4機動捜査隊が新設されたとの設定で、所属する伊吹藍(綾野)と志摩一未(星野)のバディが数々の事件の捜査に当たる姿を描く。

TBSドラマ『MIU404』でW主演する綾野剛(右)と星野源(左)

脚本は野木亜紀子、演出は塚原あゆ子、新井順子プロデューサーと、制作陣は2018年に放送された『アンナチュラル』と同じ座組。前作では法医学者たちを中心に据え、様々な「死」の裏側にある真相を明らかにする展開が高評価を得た。「野木さんには『アンナチュラル』の放送後から、何となく『次はこんなことをやりたいですね』と話をしていました。またこのチームで作れると決まった段階で、前作で得た法医学の知識を活用するかどうかも考えましたが、3人とも初めての刑事ドラマはどうだろうか、となりました」(新井氏、以下同)

“機捜”こと機動捜査隊は、24時間制の勤務で、初動捜査が主な任務。終われば専門の課に捜査を引き継ぎ、継続捜査はしない。「刑事ドラマは作品数が多いジャンルですが、連ドラではほとんど描かれていない機捜を舞台に、架空の臨時部隊というオリジナルの設定にしたことで、好きに発想できていると思います。演出の塚原は警察について詳しくなかったので、組織図から勉強して。撮影の初めの頃は、綾野さんら役者さんからの提案で、テイストの違う演技を3パターン撮ったりしながら、キャラクターを探っていきました」

綾野が演じる伊吹は、機動力と運動神経が抜群で、考える前に動いてしまう。一方の星野がふんする志摩は、観察眼と社交性に長け、常に先回り思考で道理を見極める理性的な刑事。真逆の2人が信頼し合うバディになれるのかも描かれる。

「伊吹は勘だけで動くし、することもめちゃくちゃだけれど、芯が強くて、何か“持ってる”男。綾野さんはクールなイメージが強かったので、意外性があって面白そうだと思って。星野さんは、野木さんもよく言ってますが、“いい人”じゃない星野源を見たくてオファーしました。あとはバランスがすごく重要。どんなバディでもよかったわけではなく、このお2人にお願いできたから成立しました。よく『コウノドリ』(15、17年)のコンビですねと言われますが、私自身はそういえば!という感じでした(笑)」

新井氏は本作について『アンナチュラル』の精神を引き継いでいると語る。「どこか別の場所でミコト(『アンナチュラル』の主人公)は生きていると思ってて、第3話(7月10日放送)以降、『アンナチュラル』と共通の世界観となる仕掛けをしています。第3話はターニングポイントになる回。重要人物が登場して、今後、第4機捜をかき乱します。ほかにも様々な伏線を張っていくので、楽しみにしてください」

『MIU404』 第4機捜で、もう1組のバディを組むメンバーを岡田健史と橋本じゅんが演じる。主題歌『感電』を歌う米津玄師も『アンナチュラル』に続いての起用(毎週金曜午後10時からTBS系で放送中。過去放送分は動画配信アプリ「Paravi」で配信中)

(日経エンタテインメント!8月号の記事を再構成 文/田中あおい)

[日経MJ2020年8月7日付]

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