仕事の「達人」になるには 先輩と書籍を「お手本」にA.T.カーニー日本代表 関灘茂氏 (2)

優秀な先輩は仕事の「達人」でもあり、キャリアの目標でもある(写真はイメージ=PIXTA)
優秀な先輩は仕事の「達人」でもあり、キャリアの目標でもある(写真はイメージ=PIXTA)

世界水準の人材・組織を生み出すには、個々人がどのような発想で働き、マネジメントすることが必要か。関灘茂氏は外資系コンサルティングファーム、A.T.カーニーに新卒で入社し、38歳で日本オフィスの代表に就任。関灘氏が取り組んできた、A.T.カーニーを「最も信頼され評価される組織」にするための改革とはどのようなものなのか。2回目は仕事上で出会うプロフェッショナルから学ぶ姿勢について紹介します。

<<【前回】成長なくして職場なし 世界レベルのプロを育てる秘訣

私は2003年4月にA.T.カーニーに入社し、物流企業、金融機関でのプロジェクトを経験した後、同年10月に教育業界向けの提案に関わりました。戦略・組織を専門とするプリンシパルとマネージャーの下で、公開情報のリサーチやインタビューを担当する1週間でした。

頭脳明晰(めいせき)・理路整然で知られ、若手コンサルタントから恐れられていたマネージャーとの1日1回の打ち合わせを重ね、リサーチやインタビューを進めました。その後、マネージャーが同席し、担当プリンシパルにリサーチやインタビュー結果を報告したところ、「ここまで価値のないアウトプットは見たことがない」と厳しいフィードバックを受けました。

同席していたマネージャーも厳しい指導をされる人なのですが、打ち合わせの後に「まあ仕方ないよ」と励ましてくれたのを鮮明に覚えています。励まされたからこそ、「無駄な時間を使わせてしまった」と一層認識して、以降2年間ほど、そのプリンシパル(現会長)とは目も合わせられませんでした。

そんな状況でしたが、10月下旬からIT企業とのプロジェクトに参画する機会をもらいました。そのプロジェクト責任者は私にとって、「ジョブ」と呼ばれる5日間の新卒採用の最終選考でスポンサー役をつとめてくれたパートナーでした。私がA.T.カーニーに入社する決め手となった人なので、「採用が間違いではなかった」と思ってもらいたいと考えました。

私はITアウトソーシングのプライシングモデルの検討を担当しました。プライシングに関する書籍や文献をかき集め、10ページほどの資料を作成し、担当マネージャーに送付しました。でも、マネージャーからの返信は「意味不明」。どのように資料を修正すればよいのか分からず、途方に暮れ、私が新卒で入社したときの大先輩に相談をしてみました。

今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら
注目記事
次のページ
劣等生支えた先輩たちの助言
今こそ始める学び特集
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら