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高血圧の人は白米より玄米? 高血圧リスク64%低下

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

玄米などの「全粒穀物」の摂取が多い人は、全く食べない人に比べて高血圧を発症するリスクが低いことが、日本で行われた研究で明らかになりました。

米国では全粒穀物を毎日の食事に推奨

世界的に、高血圧は公衆衛生上の大きな問題になっています。精製していない全粒穀物(玄米や、全粒粉を使ったパンやパスタ、シリアルなど)は、食物繊維やビタミン、ミネラルなど、健康に好ましい影響を及ぼす可能性がある多様な栄養素を豊富に含んでおり、高血圧リスクを低下させる可能性があります。実際に、米国で行われた研究では、全粒穀物の摂取が高血圧リスクと逆相関することが示されています。そうした結果を受けて、米国の食事ガイドライン諮問委員会は、2015年に、毎日の食事で摂取している精製穀物の多くを全粒穀物に置き換えることを推奨しました。

しかし、全粒穀物の摂取量が世界で最も低いアジア太平洋地域の高所得国で、この関係について検討した研究は、これまで行われていませんでした。そこで国立国際医療研究センターなどの研究者たちは、日本人における全粒穀物の摂取と高血圧発症の関係を調べることにしました。

対象としたのは、「古河栄養健康研究」に参加した、関東地方のある企業の事業所に勤務していた人々です。

定期的に行われていた健康診断の前に、従業員2828人に質問票を渡して、日々の食事の内容と、健康関連の生活習慣について尋ねる調査を実施し、健康診断の日に内容を確認しました。初回の調査を完了したのは2151人で、その時点で既に高血圧だった人々と、がん、心血管疾患などの患者や、分析に必要な情報が欠けていた人を除外したところ、1483人が残りました。これらの人たちのうち、3年後の時点でも調査に応じ、必要なデータがそろっていた944人(834人が男性、年齢は19歳~68歳)を分析対象にしました。

質問票では、全粒穀物の摂取習慣を尋ねる「玄米、発芽米、雑穀米を食べますか」という問いに対し、「全く食べない」「まれに食べる」「ときどき食べる」「毎日食べる」という4通りの選択肢を提示しました。分析時点では「ときどき食べる」と「毎日食べる」を選んだ人々を合わせて一群としました。

全粒穀物の摂取と高血圧リスクの関係に影響を及ぼす可能性のある様々な要因についての情報も得ました。たとえば、全粒穀物以外の食物の摂取頻度、喫煙、飲酒の習慣、運動量、さらには、夜間勤務や交代制勤務、時間外労働といった勤務状況に関する情報も収集しました。

高血圧は、「収縮期血圧(上の血圧)が140mmHg以上、かつ/または 拡張期血圧(下の血圧)が90mmHg以上」と定義しました。

全粒穀物を食べる人は3年間の高血圧発症リスクが64%低下

944人のうち、「全粒穀物は全く食べない」が530人、「まれに食べる」が221人、「ときどき食べる」または「毎日食べる」が193人でした。全粒穀物を摂取しない人と比べると、ときどきまたは毎日摂取する人は、総摂取熱量や、脂質、たんぱく質、野菜、果物、豆類、乳製品の摂取量が多く、炭水化物、ソフトドリンク、米の摂取量は少なく、喫煙者も少ないこと、業務上の身体活動は少なく、夜勤や交代勤務は少なく、余暇での運動量は多いことがわかりました。

3年後の追跡時点で、9.4%(86人)が高血圧を発症していました。年齢、性別、勤務地、生活習慣、BMI、喫煙習慣、飲酒習慣、運動習慣、勤務状況、食習慣などを考慮し、「全く食べない」人々を参照群として、高血圧の発症リスクを推定したところ、「まれに食べる」人にはリスクの上昇も低下も見られませんでした。しかし、「ときどきまたは毎日」という選択肢を選んだ人々では、高血圧リスクが64%低くなっていました(表1上段)。

表1 全粒穀物の摂取と3年間の高血圧発症リスク

続いて、当初と3年後の両方で、食習慣に関する調査に回答していた513人を対象に同様に分析しました。全粒穀物を「全く食べない」状態が持続していた401人では42人が高血圧を発症しており、「ときどきまたは毎日」食べる状態が続いていた112人では発症者は4人でした。高血圧の発症リスクは、「ときどきまたは毎日」の人で80%低下しており(表1下段)、全粒穀物を継続して摂取していると、得られる利益は大きいことが示唆されました。

今回の調査では、全粒粉を使ったパンやパスタ類の摂取については調べていませんでした。ただ、海外で行われた研究は主に、全粒粉を使ったパンやパスタ、シリアルの摂取について評価し、高血圧リスクとの間に逆相関関係を示していることから、白米を玄米や雑穀米に換えると同時に、白いパンもまた、全粒粉の入ったパンに置き換えれば、利益はさらに大きくなる可能性があると思われます。

論文は、2020年3月26日付のNutrients誌電子版に掲載されています[注1]

[注1]Kashino I, et al. Nutrients. 2020 Mar 26;12(4):902.

[日経Gooday2020年6月30日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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