投資はやってみたいけれど、新型コロナウイルスの感染拡大で相場の先行きが見通せずに躊躇(ちゅうちょ)している人も少なくないでしょう。ファイナンシャルプランナーの中里邦宏さんは「自分の持ち出しがない資金を使う『ポイント投資』ならば始めやすい」としたうえで、「ポイント投資で値動きや売買の手順などに慣れてから、自分の資金で本格的に投資を始めてみては」と提案します。
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お店や共通ポイントなどのいわゆるポイントと名のつくものがあふれている昨今、何らかのポイントを集めている人は多いでしょう。ポイントを集めている人なら「ポイントが期限切れで失効してしまった」という経験を持つ人もいるかもしれません。せっかくためたポイントも、使えずに終わってはためる意味はありません。
そのポイントの使いみちの一つが「ポイント投資」です。ポイント投資とはその名のとおり、買い物などでたまったポイントを使って運用をすることです。つまり、ポイント投資には(1)買い物に使うあてがなくとも失効させずに有効に使える(2)ポイント投資をして増やしてから使える可能性がある――という2つのメリットがあります。
「投資の模擬体験」か「実際に投資」
ポイント投資は大きく2つのタイプに分かれます。
(1)ポイントを元手に運用して元のポイントに戻すことができる「投資の疑似体験」タイプ
(2)ポイントをお金と同様に使って株や投資信託などの金融商品に「実際に投資する」タイプ
です。具体的にはどのような仕組みになっているのでしょうか? 今や多くのポイント投資がありますが、ここでは利用者が多いとみられる主要なポイントでできる投資に絞って紹介していきます。
まず、投資の疑似体験タイプはポイントのまま投資するものです。つまり、ポイント自体が投資によって増えたり減ったりします。実際に投信や株式などを購入するわけではないため、いわば「疑似投資」ともいえます。このタイプの投資ができるポイントにはdポイント、楽天ポイント、PayPayボーナス、Pontaポイントがあります。
このタイプで投資を始める手続きは、dポイント、楽天ポイント、PayPayボーナスの3つはポイントを管理するサイトやアプリで直接手続きすることができますが、Pontaポイントは別途、提携先企業のアプリで手続きすることになります。