自分で運転するなら… ロールス・ロイス「カリナン」

2020/9/6
ロールス・ロイス・カリナン ブラックバッジを試乗してラグジュアリーな世界観を味わった(写真:郡大二郎、以下同)
ロールス・ロイス・カリナン ブラックバッジを試乗してラグジュアリーな世界観を味わった(写真:郡大二郎、以下同)
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ロールス・ロイス初のSUV「カリナン」に試乗。見て豪華、乗って豪華な“砂漠のロールス・ロイス”だが、真にラグジュアリーな世界観を味わいたいのなら、走らせ方にちょっとしたコツが必要だ。インプレッションを通じてその方法を指南する。

手ごろなロールス・ロイス

ロールス・ロイスに乗る機会はそう多くない。親切な広報のロージーさんに電話をすれば借りられないことはないのだが、「ヤリス」や「フィット」を借りるときとは心持ちが違う。こう書いたからといって決してトヨタやホンダを軽んじているわけではないということを、クルマ好きならわかっていただけるはずだ。何しろフロントに神殿が鎮座しているクルマだ。そんなブランドはほかにない。「ミツオカ・リューギ」というモデルがあるが、そういうことじゃないということも、それこそクルマ好きならわかっていただけるはずだ。

今回は試乗記を書くように言われ、恭しく神殿ブランドの最新モデルの最新バージョン、すなわち「ロールス・ロイス・カリナン ブラックバッジ」に乗った。結論から言えば、カタチとしてSUVであるだけで、“ひたすらに豪華であろうとする”ということにかけては妥協のない、いつものロールス・ロイスだった。

カリナンは2018年にロールス・ロイス初のSUVとして登場。その前年にモデルチェンジしたサルーンの「ファントムVIII」に初めて採用された「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」という新世代のスペースフレームシャシーが、カリナンにも用いられる。画像を見たあなたは思うはずだ。大きいんだろうなぁと。正解。カリナンは大きい。全長×全幅×全高=5340×2000×1835mm、ホイールベース3295mm。本物のパルテノン神殿はギリシャ・アテネのアクロポリス、つまり小高い丘に建っているが、フロントマスクに神殿が鎮座するカリナンもまた小山のようだ。

とはいうものの、現行ロールス・ロイスの中では最も気を使わずに運転できるモデルだ。カリナンはファントムや「ゴースト」といった4ドアサルーンよりも短く、2ドアクーペの「レイス」よりはわずかに長いものの、目線が高いので運転しやすい。それからカリナンはベースモデルの車両本体価格が3920万円、ブラックバッジだと4530万円、各種オプションが装着されたテスト車は5461万4000円と、ロールス・ロイスとしては高くない。

車台には「ファントムVIII」から採用が始まったオールアルミのスペースフレームシャシー「アーキテクチャー・オブ・ラグジュアリー」を使う

自分で動かすロールス・ロイス

この運転しやすさと価格の手ごろさ!? は、ロールス・ロイスがカリナンをドライバーズカーとして開発したことを意味する。ファントムやゴーストは、EWB(エクステンデットホイールベース)仕様が存在することからもわかる通り、運転手を雇って後席に乗ることを考慮した存在だ。これに対してカリナンは、平日は運転を任せて後席で過ごすジェントルマンが休日に家族を乗せ、荷物も載せて自らステアリングホイールを握ることを想定した、こう見えてカジュアルなロールス・ロイスなのだ。

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