高齢化が進む中で、実家の親を見守るサービスが次々と誕生している。ただし、介護未満の親の場合、導入時に理解を得るのが難しい。見守りの度合いを意識して相談するのが鉄則だ。
心理的な導入ハードルが低いのは、電気やトイレといった日常生活の動作に応じて通知がくるタイプ。例えば、ダイキン「Daikin Support Life」は、動きに反応するドップラーセンサーにより、室内の人の在否や就寝・起床といった家中での生活リズムが分かる。また、自社エアコンと連動させることで室温を管理でき、熱中症対策にもなる。
コミュニケーション機能を有するロボットタイプなら、カメラ付きでも監視感は薄い。ソニーのaiboは19年夏より「aiboプレミアムプラン」(月額1628円・税込み)が選べるようになり、あらかじめ顔認識に登録した人物を家の中から探し出してくれる機能「aiboのおまわりさん」が追加された。指定した時間帯になると、aiboが童謡「いぬのおまわりさん」のメロディーを流しながら動き回って見守り対象を探し、結果を通知してくれる。
外出時をさりげなく見守る手段もある。地図情報サービスを手掛ける昭文社の「おかえりQR」は、印刷されたQRコードに自分の電話番号やメールアドレスを登録しておき、見守りたい相手が外出時に身に着けるつえやバッグなどに貼り付けるだけで使える。親が外出先で迷子になった場合、発見者がスマホを使ってQRコードを読み込むことで、家族に位置情報や状況を簡単に送信できる。
駆け付けサービスと一体、高額だが安心度は高い
トイレ前の廊下など、生活導線にセンサーを設置し、ケガなどで親が身動きが取れなくなり、一定時間動作が確認できない場合、緊急対処員が駆け付ける。プライバシーを気にする家も導入しやすい。初期費用4万8400円(税込み)の工事費に加え、月々の利用料も5170円とコストは高め。
最大8種の家電と連携、利用状況から異常を察知
分電盤にセンサーを後付けすることで、エアコンや電子レンジ、テレビなど最大8種と連携させ、それぞれの利用状況を人工知能(AI)が分析し異常を察知する。万が一のとき、年に2回まで無料で訪問確認を依頼できる。初期費用3万5750円、月額で2170円かかる。無線LAN環境がない家庭向けのプランもある。
カメラなしで会話で健康管理、温かみある見守りロボット
カメラでの監視ではなく、日々のロボットとの会話を通して健康状態を見守れる。人感センサーを搭載しており、自律的に話しかけてくれる。「痛い」などのネガティブなワードに反応して、見守り側のユーザーに異常を伝える。家族が送ったテキストを読み上げる機能や、会話の履歴をスマホから確認できるのも便利だ。