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アバルト595Cピスタ 小気味よくキュートでコンパクト

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コンパクトでキュートなボディーとホットなエンジンで人気の「アバルト595」シリーズにブルーのボディーカラーも鮮やかな限定車が登場。果たしてその実力はサーキットを表す「ピスタ」の名に恥じないものなのか。オープントップモデルで検証した。

異例のヒット

「ビートルズっていいっすよね!」

親子ほども世代が違う若者から真っすぐ熱い言葉を投げかけられると戸惑う。いやいや、俺だって同時代じゃないから、小学校に入ったころにはもう解散しているから、という言葉を飲み込んで、ついでに「だろっ!? にしても今ごろかよ」という偉そうな顔にならないように気を付けて、さらには、もしかすると武道館公演を見に行ったと思ってそんな話を切り出したとすれば、俺ってそんな年に見えるのか? などという疑問もおくびに出さず、「へー、ビートルズなんて知ってるんだ? いいよねー」と当たり障りのない返答をする。どうせ、どこかで一曲二曲ぐらい聞き知ったに違いない。先に知っていたからといって偉いわけではもちろんないが、あまり深く突っ込んでウザイじじいと引かれてもいいことはない。こう見えてじいさんたちも案外気を遣っているのである。

らちもない話でいきなり脱線したが、こういうことがあるとベストセラーとロングセラーの関係を考えさせられる。皆が知っている昭和の名曲のような圧倒的な大ヒットはクルマでもなかなかお目にかかれない時代だが、ライブや配信から少しずつ広まって、時間がたっても色あせず世代を超えたスタンダードになることもある。そんな珍しくも典型的な例が「フィアット500」およびアバルト595シリーズだ。じわじわ着実に台数を伸ばして、日本導入からもう12年にもなるという今、一番売れているという。

ずっと右肩上がり

2020年初めにFCAジャパンが発表したところによれば、2019年のフィアット500およびアバルト595シリーズの販売台数は合わせて6970台。発売初年度の2008年は約2500台だったから約10年で3倍近い伸びである。デビュー直後に売れてまた盛り返す再ブレークとも違ってずっと右肩上がりだ。アバルトだけで言えば2955台、2009年は約500台だったからこれも驚くほどの繁殖ぶりだ。さらに特筆すべきは女性比率とマニュアル比率の高さである。フィアットブランドでは女性ユーザー比率が6割超、アバルト車ではほぼ半数がマニュアル仕様だという。日本市場全体では今やMT比率はわずか1%程度のはずだから、これは驚異的と言ってもいい。

ジープブランド(1万3360台)が好調なおかげもあって、FCAジャパンの昨年の販売台数は2万4666台と過去最高を記録したという。いやちょっと待てよ、この3ブランドのセールスが好調なことは分かったが、ということはもう一本の柱であるアルファ・ロメオが少ないことになる。「ジュリア」と「ステルヴィオ」という比較的新しいモデルがありながら不振が目立つ。500/595ほど分かりやすくないということかもしれない。

それに加えてフィアットとアバルトは特別仕様車や限定コラボレーションモデルを継続的に、それこそ多い時には毎月発売するぐらいの勢いで投入し、下火にならないように空気を吹き込んでいる。率直に言ってしまえば、スタンダードモデルとの違いはボディーカラーやインテリアトリムが主なものなのだが、その手法はさすがの小粋さで根強い人気を維持している理由のひとつだろう。絶対数は限られるものの、動かない在庫を新古車にして値引き販売することに比べれば、実に健全な商売である。

ピスタの名に驚くなかれ

今回発売された595/595Cのピスタも国内240台の限定モデルである。595が146台、オープントップの595Cが94台で、それぞれに5段MTと5段ATが用意されており、しかもMT仕様車のほうが多い。標準ラインナップの「595Cツーリズモ」はクラッチレスのいわゆる5段MTAのみなので、5段MTの595Cは希少な存在となる。この辺の微妙な仕様の差もなかなか巧妙だ。ターボエンジンを搭載するアバルト595(当初は「アバルト500」だった)は言うまでもなく500のスポーティーモデルであり、ほんの少しピリ辛風味という位置づけである。595Cピスタ用1.4リッター直列4気筒マルチエアターボエンジンは、165PS/5500rpm、230N・m(23.5kgf・m)/2250rpm(スポーツモード時。ノーマル時は210N・m/2000rpm)を発生。これは標準仕様の595に比べて20PS増しであり、さらにこの上に「コンペティツィオーネ」用の180PS版も存在する。

いかにも攻撃的な「ピスタ」というサブネームが付いてはいるけれど、あの「フェラーリ488ピスタ」のような超高性能スペシャルモデルではなく、あるいはかつての「695ビポスト」のようなアスファルトラリー用の競技車さながらという超硬派モデルではないのでまったく身構える必要はない。ピスタとはイタリア語でサーキットの意味だが、カタルーニャサーキットのレイアウトに似ているが、どこかはっきりしないコースのバッジをはじめとしたコスメティックな装備が主なものである。高性能エキゾーストシステムの「レコードモンツァ」も備わるが、この4本出しシステムはこれまでにもモデルによって使われてきたもの。古い人には"レコルド"でないと通じないあれだ。

ちょうどいい切れ味

電動ソフトトップを備える分だけ若干重いが、それでも車重は1160kg、それにターボエンジンだから不足のあるはずはない。クラッチをつなごうとすると自動的にエンジン回転数を持ち上げ、発進をサポートするシステムも付いているおかげで、街中でも扱いは楽チンだ。山道ではほんの少しだけターボラグが気になる場合もあるが、何しろMTなのでそこはドライバーがカバーすればいい。ダイレクトなマニュアルで微妙な加減速までコントロールできる小気味よさは、CVTばかりの国産コンパクトカーとはまるっきり別次元である。

乗り心地もそれなりに穏当である。とはいっても装着タイヤがノーマル595の16インチから17インチに一回りサイズアップされており、さらに足まわりも引き締まっているようだが(コニの機械式可変FSDダンパーがリアに装着されている点がスタンダードとは異なる)、固くストロークを拒むようなものではなく、十分に快適と言える。ホイールベースが2300mmしかないコンパクトなFWDの右ハンドルマニュアル車となれば、ドライビングポジションが気になるところだが、ペダル類もオフセットしておらず、ヒール&トーも問題なく行える。この辺も人気の理由なのだろう。小気味よく生きがいいうえにで伊達(だて)で、しかも価格も身近なサブコンパクトカーは他にない。ヒットというより、もう立派なスタンダードナンバーである。

(ライター 高平高輝)

テスト車のデータ


ボディーサイズ:全長×全幅×全高=3660×1625×1505mm
ホイールベース:2300mm
車重:1160kg
駆動方式:FF
エンジン:1.4リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ
トランスミッション:5段MT
最高出力:165PS(121kW)/5500rpm
最大トルク:230N・m(23.5kgf・m)/2250rpm
タイヤ:(前)205/40ZR17 84W/(後)205/40ZR17 84W(ミシュラン・パイロットスポーツ3)
燃費:15.6km/リッター(JC08モード)
価格:361万円/テスト車=366万6100円
オプション装備:Wi-Fi対応ドライブレコーダー(4万2900円)/ETC車載器(1万3200円)

[webCG 2020年7月31日の記事を再構成]

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