Men's Fashion

ご近所ウエアと言わせない 夏の大人のデートサンダル

女がときめく男の装い

ファッションディレクター 清水久美子

2020.8.6

今やすっかりリモートライフが定着し、「アラウンド・ホーム」という言葉がファッションのキーワードになるほど。アラウンド・ホームとは要するに、お家ウエア、ご近所ウエアのことです。リラックスした雰囲気の中にいかにお洒落(しゃれ)ポイントを仕込むかが、ファッショニスタの腕の見せ所。オフィスからよりも自宅からデートに向かう機会がぐっと増え、デートエリアもお気軽なご近所のビストロへと移行、テンションが上がるドレスコードもなく、だからこそ女性の心をつかむお洒落は、本人のセンスにかかっていると言っても過言ではないのです。




そんな彼のプライベートファッションを「画面越しでなく、生で見られるわね」と楽しみに待ち合わせ場所に向かう、丸の内が本丸の女性。彼女も最近はすっかりリモートワークで、フルメークは久しぶり。

トキメキたっぷりの微笑みをそっとマスクに忍ばせます。待ち合わせに現れた彼。と、その瞬間、「……これからお散歩、かしら?」と女心の地雷がドン。バンドカラーのストライプシャツに白のゆるパン、そんな今時感満載のお洒落でどこがいけないのでしょう。

そう、その地雷源は、実は夏のサンダルだったりするのです。

今やすっかり亜熱帯気候の日本。リモートワークというのもあって、革靴よりもサンダルの登場回数が断然多くなってくるのは自然な流れ。そんなサンダルですが、ともすれば楽チンさだけで選びがちなアイテムであるのも、これ事実です。ラフな格好にはベストバランスではあっても、きれいめのデート用の服に合わせるとカジュアルすぎたりスポーティーすぎたりで、違和感のある印象に。また、どこか子供っぽい印象に転びやすいのも、男性のサンダル姿の「あるある」です。計算ずくの、魅せるサンダル選びはリモート時代の夏デートには欠かせない視点です。

「オッケー、じゃあサンダル新調するか」と、すぐネットでポチろうとするリモートダーリン。昨今のメンズサンダルのバリエーションは、実はかなりの大海原。海図なしに飛び込んでは、無駄なお散歩サンダルが増えるだけです。