リモートワークの感情ケア 解析システムやアプリ登場

従業員の感情や満足度を測ることは、企業にとっては定着率を高めたり、従業員のモチベーションを高めたりすることを通じて業績向上にもつながります。ウィズコロナの新たな勤務形態に合わせて、AIなどハイテクを使って従業員の心の状態を探る試みに注目が集まりそうです。

山崎はずむ・Empath最高戦略責任者「感情解析、満足度向上に寄与」

音声解析のスタートアップであるEmpathは、リモート会議の参加者やコールセンターのオペレーターといった、従業員の音声から人工知能(AI)で感情を解析。職場のコミュニケーションをよくしたり、従業員の満足度を向上させたりする取り組みを進めています。同社の共同創業者で最高戦略責任者(CSO)の山崎はずむさんに、ウィズコロナの時代に感情解析に注目する理由や応用について聞きました。

――従業員の音声を解析して感情を知るという試みが、ウィズコロナ時代にどう役立つと考えていますか。

山崎はずむ・Empath最高戦略責任者(CSO)

「我々はもともとメンタルヘルスケアの分野に注目して、感情解析の技術開発を進めてきました。NTTドコモの東日本大震災復興支援プロジェクトに2013年に参加して、当時問題になっていたボランティアスタッフの支援疲れなど、メンタルの不調を検知するのに我々の技術を使ってもらったのが最初です。その後、企業でのストレスチェック実施の法制化に合わせて、従業員がスマートフォンに声を入力することで簡単に気分チェックができる『じぶん予報』というアプリを16年に出しています」

「コロナウイルス感染症の拡大で、日本企業はこれまで経験しなかった規模で、在宅勤務やリモート勤務を導入しました。これに伴って職場のメンタルの問題がいっそう前面に押し出されたと思い、これに対応する製品開発を急いでいます。ビデオ会議の参加者の発言の音声情報から感情や参加態度を評価できる『リモトーキー』という新製品を4月に出しましたが、これは約2週間という短期間で開発にこぎつけました」

「こうした音声解析によって、リモート環境でも従業員のメンタルの状態を可視化することができます。それを職場のマネジャーや上長がみて、気持ちが沈んでいる人に声をかけるなど職場のコミュニケーションに気をつかってもらいます。従業員は遠隔でも自分たちがケアされている、大事なメンバーと思ってもらえていると感じることを通じて、職場での満足度も高まると考えています。このような部分に我々の技術の社会的な意味を感じています」

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