挑戦しないのはダサい クラシル社長支える前橋高精神堀江裕介・dely社長(下)

日本商工会議所の三村明夫会頭(新日本製鉄=現日本製鉄=元会長)のほか、ホンダの青木哲元会長やNTTドコモの吉沢和弘社長など卒業生には経済人が少なくない。コピーライターで、ほぼ日を創業した糸井重里さんもOB。キャリア教育の一環として著名OBを講演会に招待しているが、堀江氏も母校に招かれた。

「地にはいつくばっても勝ち抜くぞという泥臭い競争心旺盛なタイプが前高には多かった」と振り返る

後輩たちにはバカなことばかり話しました。野球や県立高崎高校との定期戦に熱を上げ、学業はパッとしなかったのですが、職員室では意外と先生たちからかわいがっていただけたので呼んでもらえたのかもしれません。前高には「画一的なものは嫌い、俺は俺。挑戦しないのはダサい」という僕の考え方を受け入れる土壌がありました。

SFCで一番役立ったのも「起業と経営」というキャリア教育の授業で、直接著名な起業家から話を聞くことができました。「ホリエモン」こと堀江貴文さんや(ドワンゴ創業者の)川上量生さんらの話は印象的でした。後で知ったのですが、今うちのCTO(最高技術責任者)の大竹雅登も同じ授業に出ていました。彼は当時慶応の理工学部に在籍していたのですが、わざわざSFCに通っていたそうです。

ただ、僕は他の通常の授業にはあまり熱を入れられず、起業家になるため学外活動に奔走していました。SFCの先輩の紹介で、(18年にクックパッドに吸収合併された)コーチ・ユナイテッドという個人指導の講師を見つけるウェブサービスの企業でインターンをやりました。ネットの世界を体験し、起業家やベンチャーキャピタリスト(VC)の人たちとも知り合いになりました。

まずVCのメンバーになろうと考え、独立系VCのイーストベンチャーズの松山太河さんに相談しました。メルカリやグノシーを見いだした投資家です。僕の考えていたビジネスモデルをしつこく説明すると、「VCよりもすぐに起業すれば」とアドバイスされました。

14年当初考えていたビジネスモデルは今話題の「ウーバーイーツ」のような配達システムです。ECが台頭した頃で、このまま拡大すれば物流が逼迫し、そこがネックになる。では誰が運ぶのか。ネットを使って働くフリーランス、いわゆる「ギグワーカー」を活用できないかと考えました。

弁当デリバリー事業をスタートしようと考え、社名も「デリバリー」からとって「デリー」としました。フェイスブックでエンジニアを募集したら、大竹が手を挙げてきてくれた。今も2人を中心に会社を回しています。ただ、この事業は当初は話題を呼びましたが、収益面ではうまくいきませんでした。おカネを稼ぐのは大変だと痛感しましたが、「絶対に負けない」というのが信条。これであきらめるわけにはいきません。

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