無印良品が「水道水」の給水サービス その狙いとは

日経クロストレンド

「自分で詰める水のボトル」190円(税込み)。容量330ミリリットル。持ち運びしやすいようにフラットな形状にしている
「自分で詰める水のボトル」190円(税込み)。容量330ミリリットル。持ち運びしやすいようにフラットな形状にしている
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レジ袋の有料化など、小売業界にプラスチックごみ削減の動きが広がっている。そんな中、無印良品が水の詰め替え用ペットボトルや軽量マグの取り扱いを開始。さらに店頭に無料で使える給水機を設置するなど、ペットボトルの消費量を減らす取り組みを進めている。

薄さ、軽さを考慮した水の詰め替え容器を販売

7月1日、良品計画は同社が運営する「無印良品」の店頭で無料の給水サービスを始めた。「無印良品 銀座」や「無印良品 グランフロント大阪」などの大型店や新店を中心とした113店舗の店頭に、来店客が自由に使える給水機を設置する。同社によると、2020年度中に日本国内約400店舗への導入を目指している。

給水サービス導入は、プラスチックごみを削減するための同社の取り組みの一環だという。店頭にマイボトルを持参して給水する人を増やし、ペットボトルの消費量を減らすのが目的だ。そのため、リユースできる空のペットボトルの取り扱いも始めた。

新商品「自分で詰める水のボトル」は容量330ミリリットルの空のペットボトル。商品の正面に入った大きな「水」というロゴと、一般的には円筒形のペットボトルを平たく薄い形状に仕上げているのが特徴。良品計画 食品部の関根千晶氏は「女性のバッグにもすっと入れられる薄さと、飲むときの握りやすさを考慮してこの形にした」と話す。何度も洗って詰め替えることを前提にし、飲み口も広くしている。

また、これまで350ミリリットル、500ミリリットルサイズを用意していた水筒のシリーズ「ステンレス保温保冷マグ」には、新たに200ミリリットルサイズを追加した。既存の2サイズは本体もキャップもステンレス製だが、200ミリリットルサイズのキャップはポリプロピレン製。「幅広い年齢層に使ってもらうことを考慮して、素材を軽量化してキャップが開けやすい径を採用した」と商品を開発した良品計画 生活雑貨部の松木寿子氏は説明する。「給水サービスに合わせて開発したわけではないが、ぜひ店頭でも利用してもらいたい」と同氏は続けた。

「ステンレス保温保冷マグ 約200ml」(写真左)、990円(税込み)。既存の2サイズとは異なり、軽さを重視してポリプロピレン製のキャップを採用している
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水道水を提供することでCO2排出量も削減