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「ミドルシニアはキャリアの停滞に陥りやすい」と、法政大学の田中研之輔教授は指摘する

「ミドルシニアはキャリアの停滞に陥りやすい」と、法政大学の田中研之輔教授は指摘する

ビジネスパーソンにとって「70歳まで現役」が当たり前となる時代の足音が聞こえてきた。40代から先の現役期間が長くなりそうな中、ミドルシニアは自らのキャリアにどう向き合うべきか。法政大学キャリアデザイン学部の田中研之輔教授に話を聞いた。

――ミドルシニアのキャリアづくりの課題を教えてください。

「ミドルシニアのビジネスパーソンが抱える最大の問題は『キャリアの停滞(キャリアプラトー)』です。目の前の業務にはまじめに取り組んではいるものの、キャリアの成長を自分自身で感じる機会が少なくなってくるうえ、変化に乏しい毎日にモチベーションも低下しがちです。定年の延長で、働く期間がこれまで以上に長くなったことで、キャリアプラトーは社会的関心が非常に高い課題になっています」

「深刻な停滞期は45歳ごろから訪れることが多いようです。組織内での昇進・昇格もおおよそ先がみえてきて、先の期待を抱きにくくなる人が増えるタイミングです。働いていれば給与はもらえるので、『粛々と働いていればいいか』と、定年での逃げ切りを狙う人も少なくありません」

「ただ、役職定年後や定年後の再雇用では、給与が大きく減少し、一段とモチベーションが低下しやすくなることから、ますます組織にぶら下がるような意識で働くようになりがち。入社同期や後輩にポジションで先を越されて意欲が低下するケースもあります」

――「40代以上は厳しい」との声がよく聞かれる転職市場で、ミドルシニアの可能性は。

「転職に関するマイナスイメージは薄れてきました。35歳ぐらいまでの若手世代は、転職先での可能性が広がっています。一方、ミドルシニアの転職は総じて厳しい状況です。年齢制限で対象外とされ、応募しても書類選考すら通らないことも多いようです」

「転職サイトに登録していても声がかかる機会は中堅・若手と比べると、かなり少ないのが実情。しかし、『ミドルシニアだから転職できない』という思い込みを持つべきではありません。実際、ミドルシニアで転職している人も大勢いるわけで、強みや専門性がある人にはチャンスがあります。つまり、これまでのキャリアで培ってきた『武器』を生かして転職市場に乗り込めば、道が開けるはずです」

「社会人としておよそ20年以上のミドルシニアは誰でもそれぞれに豊富な経験があり、転職市場で有効な武器も必ずあるはずです。ただ、この武器は埋没して見えていないことが多い。なぜなら、組織の中で抜き出た存在になると、『出る杭は打たれる』という懸念があるので、あえて自身の強みをアピールしないという人がかなりの割合で存在するからです。強みを自覚せずにいたせいで、自身を過小評価している人も多いように思えます」

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