40代に迫る「キャリアの停滞」 抜け出すための方法は法政大学 キャリアデザイン学部 田中研之輔教授

自分流のブレーキとアクセルを見付けて、成果につなげる

――転職を考えるにあたって、効果の大きい準備ステップとは。

「ミドルシニア世代の転職でまず必要なのは、自身のキャリアの棚おろしをして、自分の強みを可視化することです。そのうえで、その武器を職務経歴書に落とし込み、転職市場に売り込み、他人にアピールすることが大切です」

「自分の経験が世の中でどの程度、必要とされているのかは、ずっと同じ組織に身を置いていると気づきにくいものです。意識的に『棚おろし』や『見える化』の作業に取り組み、自分の市場価値を見極めるようにしましょう。その過程で自分に足りない部分が分かってくるので、英語なりプログラミングなり、弱点を補強していくようにすれば、もっと多くの武器を持てるようになります」

――キャリアの停滞から抜け出すために重要なことは何ですか。

「転職するにしろ、現在の会社に踏みとどまるにしろ、ビジネスパーソンとしてのパフォーマンスを上げることが大切です。フィジカル(肉体的)なトレーニングで体を鍛えるのと同様、ビジネスパフォーマンスもトレーニングを通して『力』の向上を目指します」

「最初のステップとして効果的なのは、ビジネスのブレーキとアクセルを自身で認識することです。業務に関して何らかの不満を感じていたり、目の前の仕事に集中できなかったりする要因があれば、それらがビジネスパフォーマンス向上のブレーキということになります。ビジネスのブレーキに対し、個人的にどう対応できるか、組織的な対応が必要か、整理してみましょう」

「たとえば、『会議が多すぎる』といったブレーキについて、個人ができる対応としては『会議にもっと前向きになり、発言を増やす』『自ら主導して生産性を高める』などがあります。自分なりに工夫することによって、ブレーキ要因を減らすことができます」

「同時に『どんな場合にモチベーションが高まるか』『仕事に集中できる業務や環境はどのようなものか』といったアクセル要因も書き出してみましょう。理想をいえば、アクセル要因を一つでも多く増やしていくことで『キャリアの停滞』の出口に近づきます」

「転職するかしないかの見極めは難しいものですが、これらの努力をしたうえで、現在の会社では『これ以上の成長が見込めない』『キャリア開発の機会がない』と思うならば、新しい道に進むことも選択肢になってくるでしょう。『今の会社が~だから』というような、組織のありようを理由にした転職はおすすめできません」

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