大きめシャツでバランスを整えて ビーチサンダルで軽快さも
――2組目も同じくバーンストーマーのショートパンツを使った着こなしです。今回はトップスにシャツを、足元にはビーチサンダルを選ばれています。
「先ほどよりもカジュアルにまとめてみました。とはいえ、襟のあるアイテムを取り入れることで上品さも保っています」

――シャツはシルエットが特徴的ですね。
「身幅にゆとりがあるので、適度なリラックス感があるんです。それでいて丈が短いので、だらしなく見えないのもポイントですね」
――シューズはハワイ発のISLAND SLIPPER(アイランドスリッパ)の一足です。色も先ほどとは違うので、同じパンツでも見え方がガラリと変わりますね。
「今回はショートパンツと同系統の色でまとめてみました。ビーチサンダルとはいえ、アッパーがスエードなので、あまりラフになりすぎないのも魅力です。サーフィンのあとに足を休める目的で作られたアイテムで、クッション性が高くはき心地もいいですね」
こだわりのヴィンテージスタイル 足元に遊び心もプラス
――3組目はヴィンテージのショートパンツを使ったコーディネートです。
「70年代にイタリア軍で採用されていたもののデッドストック(新品状態のまま保管されていたもの)です。お国柄もあってか、デザインがドレッシーで洗練されていますね。50年近く前のアイテムですが、今見ても古臭さを感じません。ちなみに、アメリカ軍の場合、ネイビーといえば海軍ですが、これは空軍のもの。国ごとのそういった違いも面白いなと思います」

――着こなしのポイントは?
「丈が短くハイウエストなので、あえて腰に引っ掛けてはくとバランスを取りやすいです」
――当時の主流とは違ういはき方をしているのが面白いですね。トップスには無地のTシャツですね。
「一見シンプルですが、切りっぱなしのようなデザインの裾や袖が適度なアクセントになってくれます」
――凹凸のある生地感も相まって、1枚で着ても物足りなさを感じませんね。グレーという色を選ばれたのも気になります。汗が目立つので避ける人も多い色ですが。
「ひとくちにグレーと言ってもいろいろあります。霜降りのグレーはすぐに汗ジミができてしまう例ですね。反対に、経験上ですが白に近いものはむしろ目立ちにくいのではと思っています。サイズがゆったりで肌に触れにくいこともありますが、汗ジミが気になったことはないですね」
――足元は奈良生まれのbench(ベンチ)のサンダルです。いわゆる“便所サンダル”をファッションアイテムに昇華させているブランドですね。
「タッセルがあしらわれているので、品の良さも感じられます。レザーサンダル感覚ですが、少しだけ遊び心も利かせてみました」
※表示価格は税抜き。
文:FACY編集部 山梨幸輝(https://facy.jp/) 写真:加藤潤
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