質感にこだわるのが大人の証

――ショートパンツの着こなしのポイントはどこでしょう。

「全体のバランス感はやはり大事ですね。ボトムスが短ければ、トップスのサイズを少しだけゆったりさせる、という具合です。あとは実体験としても欠かせないのが、トップスの生地へのこだわり。大前提としては、汗をかいても目立たないような色と質感です。おじさんの汗ジミなんて誰も見たくないですからね(笑)。より突き詰めるなら、繊維のきめ細かさや、上質な素材ならではの光沢感に注目してみてください」

「短いボトムスには、ゆったりめのトップスを合わせるようなバランスが大事」

――大人の服選びには生地が重要なのですね。

「一目で良しあしを判断しづらいポイントですが、見たり着たりを繰り返すうちにとても奥深いものだと気づきます。どうしてもデザインに目がいきがちな中、そういった点にもこだわれる柔軟性こそ、大人らしさではないかと思いますね」

――ファッションをさまざまな角度で楽しむというのも、着こなしの“こなれ”具合につながってくると。

「そうですね。ちなみに、ヴィンテージの服もそういう楽しみ方と相性のいいアイテムです。特に面白いのは、当店でも扱っているヨーロッパ物。マーケットがある程度確立されているアメリカ物とは違い、詳しい情報が出回っていないんです。ロマンがありますよね。トレンドや価値基準が定まっていない服の中から、似合う一着を見つけて、着こなすというのも大人のたしなみだと思います」

ジャケットと革靴で上品に アイビールックを意識

――今回は実際にショートパンツを使ってコーディネートを組んでもらいました。まずはBARNSTORMER(バーンストーマー)の一着を使った着こなしです。

「先ほどお話しした、初心者にも取り入れやすいものの例ですね。チノパンのようなコットン生地が使われています。タックが入っているのでカジュアルになりすぎず、スラックスのような上品さもあります」

ジャケット 1万8000円(アールイーメイドイントウキョウジャパン)、Tシャツ 6800円(カーリー)、パンツ 1万4800円(バーンストーマー)、レザーシューズ 1万3500円(コジマシューメイカーズ)

――トップスにはジャケットを羽織っていますね。

「大人といえばということで(笑)。ただジャケットといいつつも、柔らかなポリエステル素材なので、あまりかしこまりすぎないのがいいですね。カーディガン感覚で着られます」

ウエスト部分の裏地には、大滝詠一や杉山清貴のアートワークで知られる永井博氏のイラストが配されている。見えない部分に大人の遊び心が感じられる
「ジャケットを脱いでも物足りなさを感じさせないのは生地のおかげ」

――インナーはシンプルな白のTシャツです。どこにこだわっていますか?

サンダルと革靴の中間的な作りで、かかとを踏んではける

「質感を重視しました。コットン素材なのですが、シルクのようなツヤがあるんです。着心地もとても滑らかですね。1枚で着ても見栄えのするアイテムなので、ジャケットを脱いでも様になります」

――足元は高級感のある革素材で全体を引き締めている印象です。レザーシューズを合わせるときに気をつけることはありますか?

「そもそもショートパンツと相性のいいアイテムですし、特に意識することはない思います。1960年代に一世を風びした『アイビールック』のような着こなしなので、むしろ大人の方こそイメージしやすいのではないかと思います」

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大きめシャツでバランスを整えて ビーチサンダルで軽
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