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元ブルゾンちえみ「35億」発想はビヨンセと桃井かおり

編集委員 小林明

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NIKKEI STYLE

今年3月末で所属事務所を円満退社し、本名の藤原史織でフリーとして活動している元お笑い芸人のブルゾンちえみさん(29)。4月からイタリアのローマに留学する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で計画を当面延期。「来年4月にはローマに留学したい」と東京都内のワンルームマンションを拠点に留学準備を続ける。

「自分はふわふわした頑固者。不器用で中途半端な状態には我慢できない」「お笑い芸人は卒業するが、今後もエンタメにかかわる仕事には興味がある」と語る藤原さんに芸人時代の思い出、人生観やおしゃれ術、生い立ちなどを振り返ってもらった。インタビューを3回に分けて掲載する。

格好良くて笑えるビヨンセ、「そう来るか!」桃井かおりの名言

――「地球上に男は何人いると思ってるの?……35億」――。ブレークのきっかけは17年元日のテレビ番組「ぐるナイ!おもしろ荘」で披露したこんなお笑いネタでした。どうやって生まれたんですか。

「もともとビヨンセやブリトニー・スピアーズ、リアーナら洋楽の女性アーティストのミュージックビデオを見るのが大好きだったんです。とにかく登場の仕方が派手じゃないですか。大勢のイケメン男子をはべらせて、花火がドーンみたいな。でもあまりに格好がいいと、不思議と笑えるんですよ。別にギャグを言っているわけでもないのに、ビヨンセがそこに立っているだけでなぜか笑っちゃう。この面白さって何だろう……。そういうことを仕事としてできたらいいなと漠然と思っていました」

「色々な有名人の名言を集めるのも大好きでした。いい女系の上から目線で『おっ、そう来るか! かっけぇ~』と思わせる言葉って、あるじゃないですか。ココ・シャネルとか、桃井かおりさんとか……。すごく面白いなと思っていて、それで恋愛とか、元カレとか、女子の身近な悩みについて、上から目線で色々とアドバイスするキャリアウーマンや天才外科医など様々な職業編のネタを作っていたんです」

BGMだけ決めて後はネット検索、苦し紛れのネタ作り

――発想の原点はミュージックビデオと名言集だったんですね。

「そうです。でも、養成所時代からネタ作りには苦労しましたね。出来上がるのはいつもネタ見せのギリギリ直前。いいセリフがなかなか浮かばないので、BGMだけは決めておこうと思って、ひとまずミュージックビデオの場面がオフィスだったオースティン・マホーンの楽曲『ダーティ・ワーク』を選びました。それでセリフを考えようと『20代』『OL』『悩み』などとネットで検索していたら、『元カレが忘れられない』『恋愛がうまくできない』みたいなことが色々と書いてあった。それらを参考に曲の歌詞の合間などに入れるセリフを何とかひねり出したんです」

自分の好きなものがうまく結集、でも得意ではなかったテレビの平場

――「花は自分からミツバチを探しに行きますか?……探さない。待つの」「味のしなくなったガムをいつまでもかみ続けますか……新しいガム、食べたくない?」――。どれもインパクトのある名言ですね。

「苦し紛れだったんですよ。養成所時代のネタ見せは、ホワイトボードに自分の名前を書いた順番にネタを披露するんですが、私はいつも一番最後に名前を書き、ギリギリまであれこれとあがいていた。当時はピン芸人だったので、良くも悪くも、そのあたりは直前まで融通が利くんです。『こんなのでいいのかなぁ』とネタには自信が持てなかったけど、披露してみたら、先輩に『あれ、面白いじゃん。いいと思うよ。テレビで使えそう』なんて意外に評価してもらえた」

「それで『へぇ、そうなんだ』と気を取り直し、ブラッシュアップを繰り返しながらネタを完成させていったんです。最初のセリフは『地球上に男は何人いると思ってるの?』ではなく、たしか彼氏にたとえたガムの種類がどうのこうのとかいう感じでした。イケメン風男子コンビのコージとダイキ(元ブリリアン)を『with B』として迎えたのも途中からです」

――独特の世界観でたちまち大ブレークします。

「自分の中で別々に育ててきた好きなものたちが、ある瞬間、うまく集結できたって感じですね。でも私、テレビの平場では面白いセリフがポンポンと出てこないんです。上から目線のキャラクターのままで話すのがあまり得意ではない。やはり限界がありました。自分とはまったく正反対のキャラクターでしたから……」

「もっと芸人として下積みしていたら、ほかに戦える武器が持てたかもしれません。でもデビューして1年あまりで運良くブレークしてしまったから、きちんと訓練ができていない。完全なスキル不足。そこで早い時期から『私、本当はそういうキャラじゃないので……』と素の自分に切り替えました。とはいえ、テレビにはお笑い芸人として出ていますから、『なぜ面白いことを言わないの?』という厳しい視線はヒシヒシと感じていました」

R-1でネタを忘れる大失態、「情けない…」真面目で不器用な自分

――17年2月の「R-1ぐらんぷり」に出場し、途中でネタを忘れるアクシデントがありましたね。

「もう、恥ずかしいというより、自分でも情けなかったですね。全力を出し切って敗れたのなら、それなりに納得できるでしょうが、途中でセリフを忘れるという初歩的なミスですから……。戦う土俵に上がる前にそんなミスをする芸人なんていませんよね。プロとしてやってもよいミスと、悪いミスってあるじゃないですか。私がやったのは悪い方のミス。『おまえ、なんでこんなミスしているんだ。そのミスじゃないだろう』って、ずっと自分を責めていました」

――責任感が人一倍、強いんですね。

「自分で考える以上に真面目で不器用なのかもしれません。仕事自体は楽しかったので、気にせずにお笑いを続けられればよかったんですけど、結局、続けることができませんでした。ブレークした1年目は仕事が次々と来るので、ひたすら卓球のように球を打ち返す状態。将来について考える余裕もないし、あえて考えないようにしていた。でもその翌年くらいから『自分が本当にやりたいのはお笑いなのか?』と真剣に悩むようになります」

「みんな、本能で生きてる?」 私自身が本能で生きていない矛盾

――ブレークの陰で秘められた悩みを抱えていたんですね。

「テレビの仕事って、間髪入れずに切れのある面白いコメントを言わないといけないじゃないですか。特別なスキルが必要だから、誰でも出続けられるものではない。それは十分に分かっていましたが、私の気持ちの中で、なぜか芸人として『よし、乗り越えてやるぞ』という強いモチベーションが湧いてこなかった」

「自分のネタに『みんな、本能で生きてる?』というセリフがあります。それを演じているとき、『あなたこそ本能で生きてるの?』と問い詰める自分がいました。私自身が本能で生きていないのに、仕事を通してお金をもらい、生活までしている。それでいいのか? 何度も悩みましたが『このサイクルはぶち壊さないといけない』と決意したんです。それでちょうど事務所の契約が切れる今年3月末に円満退社し、芸名をブルゾンちえみから本名に変え、イタリア留学に行こうと計画しました。コロナの影響で留学は当面、延期することになってしまいましたが……」

留学のきっかけは2年前のイタリア旅行、ピース綾部のNY移住も刺激

――なぜイタリア留学だったんでしょうか。

「いつか海外で暮らしてみたいという夢は持っていました。ブレークした翌年の18年春のある日、『休むなら今しかないよ』と事務所に言われ、慌てて3泊4日で初めてイタリアを旅行したんです。すると不思議なことに、たった1日しかいなかったローマが大好きになってしまい、『またここに来たい。ここで暮らしたい』と思うようになっていた」

「お笑いコンビ、ピースの綾部祐二さんが17年からニューヨークに拠点を移したことにも影響を受けました。うらやましかったし、すごく心に響きました。私、何歳になっても、新しいことに挑戦する生き方には大賛成なんです。特に大人がそうあってほしいと思っているから」

――「挑戦する大人」ですね。

「ええ。今回も事務所を辞めようとしたら、『もっと大人になりなよ』なんてよく言われたんです。そのとき『大人って何?』と首をかしげてしまった。自分が楽しめていない現状に妥協しろっていうことなの? 『それって違うんじゃない? そんな大人だったら、子供は誰も大人になりたくなくなっちゃうよ』って思ったんです。だから今回の決断に自分なりにメチャメチャ納得できています。とりあえず『無敵』の心境ですね。これからどうなるかはまったく分からないけれど、『トコトン挑戦してやろう』という前向きの気持ちでいっぱいです」

――ちなみに「with B」のコージとダイキはどんな反応でしたか。

「こちらが拍子抜けするくらい、淡々としていましたね。引き止められたわけでもないし、責められたわけでもない。以前からあっさりした関係でしたから……。3月に彼らもコンビを解消し、コージはアメフト選手として復帰、ダイキは俳優を目指して再出発しています」

(聞き手は編集委員 小林明)

※次回(8月7日公開予定)は人生観が変わったというイタリア旅行の思い出、留学計画を陰からサポートした大物有名人、独自のファッション感覚の秘密などに迫ります。

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