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すしは塩とオイルで食べるのが「旬」 味わい方ABC

魅惑のソルトワールド(44)

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NIKKEI STYLE

日本のみならず世界各地で人気のすし。食べる際に、欠かせないのがしょうゆだろう。その色合いから「ムラサキ」とも呼ばれ、すし店に行けば必ずある。そんなすしの世界で今、新たな取り組みが始まっている。オイルと塩で食べる「オイル寿し」だ。

その土地に根付く食材をいかし、地元を元気にする取り組みで注目を浴びるイタリア料理レストラン「アル・ケッチァーノ」(山形県鶴岡市)の奥田政行シェフが、長年の実践と研究に基づき考案した。このオイル寿しをメインにした新店舗がこのほど東京都内に2店舗オープンし、早くも話題となっている。そこで今回は従来の常識を覆し、塩とオイルで食べる新感覚のすしのおいしさの秘密を紐(ひも)解くことにしよう。

奥田シェフ監修の新店舗は東京・虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー内に今年6月オープンした「イル・フリージオ」と、同7月に銀座にできた「米菜°sakura 織音(ベイサイド サクラ オリオン)寿し」である。

すしの原型は東南アジアが発祥とされ、日本には平安時代に伝来。現在のスタイルになったのは江戸時代の末期からといい、食べやすいようサイズも小ぶりになってきた。「鮨」や「寿司」「鮓」と表記されるすしだが、それぞれ多少意味が異なる。「鮓」は現在のなれずしを意味し、「鮨」は魚が旨(うま)いという意味や、魚を発酵させた塩辛のようなものを指す場合が多い。最も多く使われている「寿司」は寿(めでたいこと)を司(つかさど)る、ということで縁起が良い意味が含まれている。オイルと塩で食べる「オイル寿し」は、新しいすしの世界にちなみ「寿し」と表記されているようである。

しょうゆで食べるすしと、塩で食べるすしの最も大きな違いは、うまみを付加するのか、それとも素材の味を引き出すのかという点にある。

しょうゆはダイズと麹(コウジ)と塩水を発酵熟成させて作る。全国各地に多くの製造元があり、様々な種類のしょうゆが生産されており、300種類以上の香りと濃厚な5味(うまみ、甘味、酸味、塩味、苦味)が含まれている。

にぎりずしをしょうゆで食べると、シャリの甘味と酸味、魚介類のうまみや、しょうゆの香りが付加され、より濃厚で華やかな味わいになる。わさびを使えば辛味も加わり、おいしさの厚みや味わいの豊かさが一段と増す。一方で、ネタがしょうゆの味に覆われてしまい、魚の個性や繊細な味を感じることが難しくなる側面は否めない。

では、塩で食べる場合はどうだろうか。塩はしょうゆほど明確なうまみを付加することはない。しょうゆのようなアミノ酸由来のうまみ成分を含んでいないからである。磯の香りがする塩は一部にすぎず、基本的に香りもない。では、あえて塩を使うのはなぜか――。それは、塩が名脇役として素材が持つ性格を強調し、引き出す働きをするからである。同じマグロのすしでも、マグロに含まれるうまみや甘味を強調したり、鉄由来の酸味を強調したりする。使う塩を変えることで、マグロに隠された様々な性格の一つひとつにスポットライトが当たり、違った味わいが楽しめるというわけだ。

では、オイルの役割とは何だろう。すしには魚に本来含まれている脂以外の脂肪分がないため、全般にあっさりとした印象となる。酢飯に含まれる糖分と酸味、塩のしょっぱさ、ネタのうまみに、オイルという油脂分が加わることで、人間が本能的においしいと感じる「糖分、油脂分、塩分、うまみ」が含まれたすしに変身する。オイルにもさまざまな香りや辛味がある。オリーブオイルだけでも爽やかな風味のものから重い風味のものまでバラエティーに富む。オイルは油脂分以外にも香りの付加という点でもしっかり役割を果たすことになる。

複数の食材を組み合わせ、それに合わせた塩とオイルを付加すれば、素材本来の味を生かしながら、1貫のすしが1皿の料理に変わる。それこそがオイル寿しの魅力といえるだろう。

脂肪分の少ない従来のすしは、ワインとのマリアージュも難しかった。オイルを加えればワインの持つ酸味を受け止めることができ、ワインとの相性も向上する。

オイル寿しを家庭で試してみる時に大切なポイントを最後に伝授しておこう。事前の準備に少々手間がかかるかもしれないが、塩やオイル類がそろえば、何度でも楽しめるので、ぜひチャレンジしてみてほしい。

▼食材は新鮮なものを選ぶ

食材と塩を合わせる時に何より気をつけたいのが、その鮮度。特に魚介類は塩だけで食べると鮮度の悪さからくる生臭さが引き立ってしまうので注意したい。コンブ締めなどで寝かせる場合を除き、鮮度のよい品を選ぶようにしてほしい。

▼酢飯は2種類はほしい

きりっとした酸味が特徴の米酢のほかに、酒かすでできた伝統的な赤酢をぜひ用意したい。赤酢は酸味がまろやかで香りが高く、うまみが強い。米酢を使った白シャリと赤酢を使った赤シャリの2種類あると、ネタに合わせてベストな選択が可能になる。赤酢は米酢に比べ生産者数が少ない。近隣の量販店で調達が難しければ、通販を利用するのも手だ。ユズの皮を削って入れたユズ酢や、リンゴ酢なども用意できると楽しみの幅が広がる。

▼オイルはオリーブオイルを基本に

オリーブオイルは3種類用意しておくと、ネタに合わせたセレクトが可能だ。まずは、あまり香りが強すぎないバランスのよいタイプ。次に爽やかな青い草の香りがあり軽いタイプと、ねっとりとして重くスパイシーな辛味を感じるタイプの3種類だ。余裕があれば、ピスタチオオイルやガーリックオイルなどもオススメ。

▼塩も複数用意する

オイル寿しの要である塩は、最低でも3種類は用意したい。マグロなどの赤身の魚にはしょっぱさが比較的強く、鉄分を含んでいる塩が合う。パキスタン産のピンク岩塩を細かく砕いたものなどがオススメで、赤身のうまみを引き立ててくれる。イカなどかむほどに味が出てくるネタには、しょっぱさがまろやかで粒が少し大きい海水塩がオススメ。海藻のエキスを含んだ藻塩なら汎用性があり、便利だ。

上記の材料をそろえた上で、家庭で実践するなら、おのおのが好きなシャリとネタとオイルと塩で握りながら食べる「すしパーティースタイル」が一番。料理をする時のように食材と食材の組み合わせを考えながら、試してみる。時には自分の好みに合わない組み合わせになってしまうこともあるだろうが、それも家庭料理ならではで、ご愛敬だ。楽しい会話とともに新しいすしの世界観を楽しんでみてほしい。

(一般社団法人日本ソルトコーディネーター協会代表理事 青山志穂)

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