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隈研吾氏がデザイン監修 歴史を生かす京都「新風館」

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NIKKEI STYLE

京都の商業施設「新風館」がホテルを核とした複合施設として6月にリニューアルオープンした。アジア初のエースホテルをはじめ、関西初のビームスジャパンやカフェキツネなど全20店舗が出店。新型コロナ禍で観光客が激減した京都の街に、活気を取り戻す起爆剤となるか。

歴史的建造物を再活用、街に開いた施設へ

小雨が降り始めた6月11日の午前9時。開店を2時間後に控えた新生「新風館」の烏丸通側入り口には、入場整理券を求める人たちが列をなしていた。整理券は開店時刻から90分ごとの時間帯に区切られ、1回につき200枚を配布。オープン初日から4日間は滞在時間を制限することで「3密」を避ける対策が講じられた。7月1日以降は、一部店舗を除き、通常営業に戻っている。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で静かな幕開けとなった新風館だが、その話題性の高さから開業を待ちわびた人は多い。日本を代表する建築家、隈研吾氏が建築デザインを監修し、核テナントとして米国のライフスタイル型ホテル「エースホテル京都」がアジア初上陸。商業ゾーンのテナントには、コンセプトやデザインにこだわった店舗を集積。全20店舗と小規模ながらも、国際都市・京都のランドマークにふさわしい商業施設に仕上がっている。

運営するNTT都市開発の商業事業本部商業事業部営業MD担当である増留綾花氏は、新風館をリニューアルするに当たって、旧新風館でも大切にしていた文化の発信とコミュニティーの創出を重視したという。「その結果、世界各地で独自のコミュニティーを創出しているエースホテルと親和性の高いテナントを誘致できた。地域の方はもちろん宿泊客も利用でき、それぞれの交流拠点となることで街ににぎわいをもたらしていきたい」と話す。

新風館は、1926年建設の旧京都中央電話局をリノベーションした商業施設で、NTT都市開発が01年1月に開業。90年以上の歴史を持つ建物の魅力を生かしつつ、地域に開かれた商業施設として人気を博した。16年に大規模な改築に踏み切ったのは、街を変えるという当初の役割を終えたことと、集客力の強化が目的だったという。

新たに生まれ変わった施設は地下2階~地上7階建て、延べ床面積2万5611平方メートル。歴史的建造物を生かした烏丸通沿いの保存棟と、隈氏がデザインした東洞院通沿いの新築棟からなり、2つの棟に囲まれるように大きな中庭が広がっているのが特徴だ。

中庭を中心に烏丸通から東洞院通を東西につなぐ地上1階の通路沿いに商業ゾーンを配置。保存棟の地上2~3階と新築棟の地上1階~7階に「エースホテル京都」、新築棟の地下1階にミニシアター「アップリンク京都」が出店した。今回のリニューアルでは地下2階と地下鉄烏丸御池駅を直結。3つのエントランスをつなげたことで、地域全体の回遊性が高まっている。

エースホテルと親和性の高いテナントが集結

商業ゾーンに出店した多くのテナントに共通しているのは、独自の世界観を持ち、エースホテルと親和性があることだ。テナントの中には、エースホテルのファンで「エースホテルが出店するなら」と出店を決めた経営者も多い。

「以前から京都に店を出したいと思っていたが、歴史的な建物と立地の良さに加えて、エースホテルをよく利用していたことも出店の決め手になった」と話すのは、眼鏡のセレクトショップ「グローブスペックス 京都」の岡田哲哉社長。世界各国のアイウエアブランドを販売する同社は、渋谷店と代官山店に続き、新店を20年ぶりに関西で出店した。

レンガ造りの新風館のたたずまいを最大限に生かした店内には、新風館と同じ1920年代に作られたアンティーク家具や照明、装飾品など世界中で収集されたものがずらりと並ぶ。「もともと関西の顧客も多く、開店を楽しみにしてもらっていた」と岡田社長。実店舗での接客を重視しているため、オープン以降、入場規制をしながら営業している。

きもの専門店・やまと(東京・渋谷)が展開するメンズ着物ブランド「ワイアンドサンズ(Y.&SONS)」も、エースホテルの存在が出店に大きく影響したという。「我々も街をキーワードにしている。街に根差しているエースホテルの出店は抜群のタイミングだった」と、同社事業創造部ワイアンドサンズのアシスタントブランドディレクター、平松元氏は話す。同店は"メンズきものテーラー"をコンセプトに15年に東京・神田にオープンした。京都店は待望の2号店で関西初出店となる。

セレクトショップのビームス(東京・渋谷)が展開する「ビームスジャパン京都」は、エースホテル京都とのコラボで、宿泊客向けのオリジナルトートバッグを発売した。「ビームスジャパン」は新宿、渋谷に続く3店舗目で西日本初出店。日本の名産品と工芸品を取り扱うビームスジャパンならではの品ぞろえを中心に、京都の作家や企業とのコラボ商品、近隣の滋賀や奈良の製品も数多く取りそろえている。

鳳凰(ほうおう)の天井画が圧巻の店内は、高さのある木のグリッド棚を壁一面に設置。京都の東山で作陶されている「蘇嶐(そりゅう)窯」の陶器や、わら細工の技術をベースとした「花背(はなせ)WARA」のアクセサリー、漫画「忍者ハットリくん」とコラボした機能性ウエアなど、同店限定商品が充実している。

「東京の店舗は7割が日本人客で、購入者の4割が外国人。商品はすべて日本製なので、まずは関西に住む日本人に知ってもらい、リピーターにつなげていきたい」とビームスジャパン事業部のスーパーバイザー、今村剛氏は話す。

他にはニューヨーク・ブルックリン発のセレクトショップ「ピルグリム サーフ+サプライ」の日本国内2号店や、エースホテル京都のアメニティーに採用されたサロン発のホームケア製品ブランド「ウカストア」、ミニシアター・コンプレックスの「アップリンク」などが関西初出店。植物系素材を使った体感型ボタニカルショップを運営するDAISHIZEN(ダイシゼン・川崎市)が、ネイチャー、クラフト、アートをテーマに展開する新業態「(THISIS)SHIZEN(ディス イズ シゼン)」にも注目したい。

リアル店舗ならではの体験価値が成否のカギ

新生新風館は、国内外に店舗展開する人気カフェや話題の飲食店が集結しているのも特徴だ。オープン以降人気を集めているのが、ファッションブランド「メゾン キツネ」が手掛けるカフェ業態「カフェ キツネ」。パリやソウルなど世界で9店舗を展開し、国内では東京・青山、岡山に続く3店舗目だ。アパレルとカフェの複合店としては国内初出店。「カフェ キツネではローカライズを大切にしている。宇治産のオリジナルブレンド抹茶など、日本茶を使った京都ならではの限定メニューを用意している」(カフェ マネージャーの眞鍋侑子氏)。

スープ専門店「スープストックトーキョー」を展開するスマイルズ(東京・目黒)は、リサイクルショップ「PASS THE BATON KYOTO GION(パスザバトン京都祇園店)」内に併設する喫茶「お茶と酒 たすき」の2号店をオープン。京都祇園店でしか食べられなかったかき氷をテークアウトで提供する。カクテルをベースにした酒氷や〆(しめ)氷が、新たな味覚を求める大人の男女に好評だ。

オーガニック農産物を扱う坂ノ途中(京都市)は、校正・校閲の専門会社である鴎来堂(東京・新宿)と協業し、スープ料理と選書を販売する新業態「本と野菜 OyOy(オイオイ)」を出店。書店と飲食店が一体化したユニークなスタイルが注目を集めている。

いずれのテナントも店舗ならではの空間とサービス、こだわりの商品で、他店とは一線を画す戦略を打ち出している。顧客はわざわざ店舗に足を運ぶことで、初めて他にはないブランド価値を体験できる。ブランド側にとっては店舗を起点に、顧客エンゲージメントの向上を図れる。

新型コロナ禍を機に店舗のショールーム化が加速する現在、リアルな店舗に求められるのは「繰り返し出向きたいと思ってもらえる体験価値を創出すること」(増留氏)。安心安全を担保しながら、ここにしかない体験価値を提供することで、コロナ禍で苦境に立たされた京都の街の再生にも貢献できそうだ。

(文・写真 橋長初代)

[日経クロストレンド 2020年7月15日の記事を再構成]

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