――管理職に就きたがらない女性の意識を問題視する声もあります。

「21世紀職業財団は今年1月にダイバーシティ推進状況調査を実施しました。男女正社員4500人を対象に個人の意識や職場の現状を聞きました。『管理職になれるとしたらどう思いますか』という問い掛けに、昇進可能性があると思っている20~30代の女性総合職は『なりたい』が21.8%、『推薦されればなりたい』が35.8%で、『なりたくない』34.5%、『考えたことない』7.9%の合計を上回っています。約6割が昇進意欲を持っている格好です。一般職や事務職でも昇進意欲を持つ方が過半数を占めました。企業が女性活躍に積極的に取り組み、昇進の可能性が開かれていることを実感できれば上を目指す意欲も生まれます。女性が管理職に就きたがらないから女性管理職が増えないとする意見は誤っていると思います」

「むしろ問題は昇進意欲がある女性を育てられない職場風土です。重要な仕事を男女どちらが担当するかを尋ねた設問に、『男性』とする回答が半数を超えました。男性総合職で50.7%、女性総合職で55.5%です。相変わらず重要な仕事を男性に優先的に与える管理職が多いようです。人は鍛えられて育ちます。入社以来のこうした日々の積み重ねが、やがて大きな男女差を生みます」

――女性管理職比率30%を達成するには何が必要ですか?

「実力を伴わない数合わせの女性登用には私も反対です。女性管理職を増やすには管理職になり得る能力と実績・経験のある女性が増えなくてはいけません。本来の資質に男女差がないのに結果的に差を生んでいるのは、先述したとおり、鍛えられる機会が女性は少ないからです。性別にかかわらず、重要な仕事を任せることが第一歩です」

「女性は現状、家庭責任を男性より重く担っていることが多いので、子育て期に勤務時間を短縮せざるを得なかったり、残業ができなかったりするケースもあり、企業が仕事と子育てが両立できるよう配慮することは必要です。しかし、配慮のし過ぎはいけません。良かれと思って育児期の女性に負荷の軽い仕事だけを与え、重要な仕事から本人の意向も確認せずに外すといったことでは女性は育たないでしょう。むしろ育児期の女性がいかに仕事の質を落とさず、良質の経験を積んで成長していけるかを経営者や管理職の方々には一番考えていただきたいと思います。そうやって能力・経験の面で管理職の要件を満たす女性の数を意識的に増やしていくことで、はじめて実際に管理職に就く女性が増えるのです」

(編集委員 石塚由紀夫)

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