冷感・遮熱・速乾 今夏も熱い、ポロシャツ機能バトル
特集 夏を快適に過ごすための大人向けクールウエア(上)
在宅ワークが長く続くと、髪形や服装への関心が薄れがちだ。顔のアップしか映らないテレビ会議であっても、ビジネスパーソンらしく、襟元はさっぱりと、胸元に汗染みやヨレなどが出にくい、高機能ウエアを身に着けたい。そんな希望を簡単にかなえられるのが、ポロシャツだろう。大人向けクールウエアを4回に分けて紹介する特集の第1回では、オンオフ兼用も可能な高機能ポロシャツを紹介する。
接触冷感機能を持つアイスコットン仕立て
人気セレクトショップのシップスでは、数多くのオリジナルのポロシャツを展開している。なかでも注目は、肌に触れた瞬間にひんやりと感じる接触冷感機能を備えた1枚だ。
今回紹介する「アイス コットン カノコ ポロシャツ」は、スイスの紡績メーカーであるスポエリー社の「アイスコットン」を使用。アイスコットンという素材は、このスポエリー社が開発したもの。吸湿速乾性の高い長繊維綿を使った強撚糸(きょうねんし)の素材で、繊維そのものに空気の層をつくらせない役割を持つ。さらに肌の水分を吸い取って発散するため、冷感効果をもたらす仕組みになっている。
生地に使用される綿の割合は製品によって異なるが、冷感機能は化学的なものではなく、あくまでも綿糸から生まれたものだ。さらに、このポロシャツは凹凸のある鹿の子編みで通気性が高く、さらっとした着心地も特徴とする。
ワイドカラーの隠しボタンダウン仕様でビジネスにも最適。アームホールや脇線は、ドレスシャツの縫製で行われる伏せ縫いにするなど、上品な見栄えも魅力だ。
「ポロシャツ全体の売り上げが好調」と話すのは、シップスのPR今竜太氏。オンオフ兼用できるシンプルなポロシャツのため、30~50代のビジネスパーソンに支持されているという。
夏向けの5つの機能を持つシェルテックを使用
セレクトショップのナノ・ユニバースは、夏向けの高機能素材「SHELTECH(シェルテック)」を用いた「快適男」シリーズを展開している。シェルテックは外気温をシャットアウトすることで、最大-5℃の状態を作り出す遮熱性や肌が生地に触れた瞬間にひんやりと感じる接触冷感機能に加え、中空糸というストロー状の繊維による吸水速乾性と軽量性、紫外線から肌を守るUPF50+のUVカット機能を備えている。
シェルテックで仕立てたポロシャツ「快適男 カノコポロシャツ」は、上記の5つの機能により、暑い日も快適に着られるという。特に鹿の子編みのポロシャツは、生地特有のドライな肌触りと優れた通気性も魅力だ。生地表面に凹凸感があるため肌離れがよく、汗をかいてもサラッとした着心地をキープする。
スタンダードなデザインのポロシャツなので、シーンを選ばず着用できる。休日の街歩きはもちろんのこと、ストレスなく着られるため、テレワーク時のトップスとしても高い支持を得ているという。
「20年4月末に発売され、5月に入って売り上げが大きく伸長した商品」(ナノ・ユニバースのプレス 山内良太氏)。6色をラインアップしているが、ECサイトでは人気のあるカラーやサイズは欠品が続いていると話す。
優れた消臭効果とドライな着心地が持続
ゴールドウインが展開する消臭ウエアブランドのMXP(エムエックスピー)は、体から発するニオイの原因を中和する「マキシフレッシュ」をはじめ、最先端の消臭テクノロジーを日常着に応用している。このポロシャツ「MEDIUM/DRY JERSEY SHORT SLEEVE POLO」もマキシフレッシュが用いられており、消臭効果が高い。
今回紹介する「ミディアムドライジャージー」シリーズは、表面にコットン、肌面側にはポリエステルの中でも特に吸水速乾性に優れる異形断面ポリエステルを使用しているのが特徴だ。汗をかいても肌にはりつくことなくドライ感が持続し、コットンのやわらかな風合いをキープしながら、動きやすく快適な着心地を実現する。洗濯時も同等の厚さのコットン100%生地と比べて速く乾くという。
襟元が美しく立つ台襟付きで、ステッチが目立たない天地縫いを採用するなど仕立てにもこだわった。上品なデザインでビズポロとしても活躍する。
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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