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子育てしながら国家資格取得 シングルマザーの勉強法

仕事と遊びの境界線をなくす「公私混同力」のススメ(11)

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NIKKEI STYLE

「キャリア迷路(モヤキャリ)」から抜け出すためのコミュニティーを主宰する池田千恵氏は、子育て家庭で時間がなくても、家族を巻き込むことでキャリアアップは可能と説きます。今回はシングルマザーとして働きながら子供との時間を優先しつつ、国家資格を3つ取得、現在は社会保険労務士法人に勤務する有井和美さんに池田氏がインタビューしました。

資格試験の機会は平等

――有井さんはシングルマザーで子育てしつつ、国家資格を3つ取得され、今は社会保険労務士として事務所で働かれています。最初に国家資格を取ろうと思ったきっかけは何でしたか?

次女の小学校の入学式がきっかけでした。子供が立派に成長しているのを見て「私は成長しているのだろうか?」「私も成長したい」という気持ちが芽生えました。母子家庭で事務員をしていて、給料も少なく、このまま働いていては生活するのに精いっぱいのままだと思っていました。お金も時間も社会経験もない状態でしたが、こんな私にも資格試験なら機会は平等に与えられていると感じたんです。最初は行政書士の資格からスタートしました。

有井和美さん
社会保険労務士。現在神奈川県内の社会保険労務士法人に所属。26歳、23歳、11歳の母。シングルマザーとして働く中で、子供と過ごす時間を維持しつつ収入を増やしたいと国家資格取得のための勉強をスタート。行政書士試験に始まり、2級FP技能士、社会保険労務士試験に挑戦。全て学校に通わず自宅学習で一発合格している。

ハローワーク職員の言葉に発奮 子供が親を信じる姿が支えに

――資格は様々で、民間資格や国家資格などいろいろありますが、国家資格、特に最初に行政書士を取ろうと思ったきっかけは何でしたか?

とにかく「食べていけるようになりたい」という気持ちでした。離婚して就職活動を始めたとき、ハローワークの人に「こんな、何もない履歴書では何の仕事も見つかりませんよ」と言われました。とにかく「パッと分かる、履歴書に書ける仕事を」という気持ちで必死でした。資格取得のための学校にはお金も時間もなく行けないので、家での勉強でも取れる資格を探しました。その中で行政書士は独学でも比較的取りやすい資格だと分かり、通信講座で5月末頃から勉強をはじめ、11月の試験までの約6カ月仕事をしながら勉強し合格しました。

資格試験合格まで、私は自分を何もできない人間だと思っていました。同僚や友人にも「受かるのは無理だ」と言われていました。そんな状況の中で子供だけは信じてくれて「ママなら受かるよ!」といってくれました。自分がくじけそうになったときに子供は純粋に私のことを信じてくれ、応援してくれることが励みになりました。初めての資格試験合格が私の自信になりました。

――お子さんの純粋に母親を信じる気持ちが励みになったんですね。必死だからこそなんとしても結果を出すという気迫を感じました。その後の国家資格取得のステップはどのようなものでしたか?

行政書士として働いた後、家庭の事情で関西から関東に引っ越すことになり、関東の税理士事務所に入所しました。税理士事務所では、業務に関連した資格として国家資格の2級FP技能士を取得、その後今後需要が増える資格として社会保険労務士(社労士)の資格にも興味を持ちました。社労士の試験は今までより難しいため、短い時間でキュッと凝縮して集中したいと感じ、早く資格取得のための勉強を終わらせるためにあらゆる工夫をしました。受験後、合格発表まで待つことなく、「たぶん受かると思います!」と面接で伝え、社労士法人に転職、現在に至ります。

子供を楽しく巻き込むことがカギ

――最初の成功体験で自信がつき、どんどんキャリアアップしていますね。忙しい中で優先順位はどうつけていきましたか?

私の場合、とにかく譲れないのは子供との時間を確保することでした。子供のために働いているのに、子供をないがしろにするのは本末転倒だと感じたので、子供と一緒にごはんを食べる時間は最優先にしました。子供との時間以外、例えば洗濯物などは、洗濯乾燥機に任せて干すことはせず、時間がなければ畳まなくてもOKにしていました。

また、子供が家事を進んで手伝ってくれるよう、コミュニケーションを工夫しました。行動を具体的に挙げて「ありがとう」と感謝するようにしました。例えば、「洗い物をしてくれてありがとう。そのおかげでお母さんは勉強が何ページ進んで問題が解けるようになったよ」といった感じです。

――子育てを優先しつつも自分のキャリアも諦めないためにはどうしたらいいか悩む人は多いと思います。有井さんのご家庭はお子さんが積極的に協力してくれているようですね。秘訣はありますか?

まず、資格試験勉強を始めるとき、自分がどうして資格を必要だと思っているか、合格するためにはどのくらい勉強すればいいかを子供に伝えました。「ママはこういうことを考えていて、こういう資格を取ろうと思う、ついては勉強の時間をママに下さい!」といったようにです。

子供との時間は最優先と決めていたので、勉強のために部屋に籠もるのではなく、リビングで勉強するようにしました。リビングで勉強すると、隣で子供も一緒に並んで勉強し始めるといううれしい効果もありました。子供には勉強で知った感激や驚きを「ママ、こんなこと知らなかった、びっくりした!」という感じで内容を説明して聞いてもらったり、暗記する内容の語呂合わせを考えてもらったり、「○か×か?」で子供に問題をだしてもらったりしました。

内容を子供に説明することで自分の頭も整理されるし、母親が楽しんで勉強していることが伝わったのではないかと思います。

「ない」中にある勉強時間を見つける

――自分にとって大切なものを選び、それ以外を思いきって捨てる、というのはとても重要な考えですね。具体的な勉強時間のつくり方はどう工夫されましたか?

次のような工夫をしました。

1. 試験の攻略法を調べる
2. 日々の生活の中で勉強時間を組み込む

<試験の攻略法を調べる>

まず、受ける試験の攻略法をしっかり調べました。資格試験運営元のサイト確認や予備校の記事、まとめサイトなどで、時期、試験時間、問題数、筆記かチェックシートか、合否判定基準は何かなどをしっかり把握しました。例えば、行政書士は少し筆記があるので、ある程度漢字や専門用語を書いて覚える必要がある、社労士は用語を書く問題は出ないが、筋道を立てて覚えることが必要、といったように、試験によっても攻略法も勉強法も違います。

その上で、受ける試験の平均勉強時間から、1日の勉強時間数と勉強期間を計算します。例えば平均勉強時間が500時間だとしたら、1日に取れる勉強時間を平均3時間とした場合、500時間÷3時間で約167日だから、大体余裕をもって6カ月かかる、と分かります。

<日々の生活の中で勉強時間を組み込む>

次に、自分の普段の平日・休日のタイムスケジュールを書き出します。書き出してみると、普段なんとなく使っている通勤時間、昼休み、テレビ、読書、ゲームなどの時間を勉強にあてられることが分かってきます。勉強の時間をむりやりつくろうとすると大変ですが、最初は時間を置き換えるだけ、と考えるとラクになります。

――お話を聞くと、家族が「資格試験」という目標のためにチーム一丸となったように感じます。親が勉強する姿を見せることで得られる効果はありましたか?

家族の結束が固くなりました。子供たちがいてくれて、私を信じていつも応援協力してくれたから時間がない中でも勉強しようと思うことができましたし、絶対に受かる!という気持ちになれました。資格試験に向けた気持ちをしっかりと子供に宣言したことで、積極的に家事を手伝ってくれるようにもなりました。

また、大きくなった子供たちをみていると、大人になっても勉強を続けるのが当たり前だと思っているようで「今度こういう資格があるから取っちゃおうかな」と、勉強を始めるのに抵抗がなく育ったのでよかったと感じます。

――子育て中は自分のキャリアの停滞に不安を感じる方も多いと思います。何か始めないと!と焦る人におすすめの勉強のスタートタイミングはありますか?

資格試験受験の優先順位が緊急でなく、かつ現状子供がまだ小さくてどうしても勉強時間を見いだせない場合は、「何年後に家族が○歳になるか」が分かるよう、家族の年齢表をつけるのをおすすめしています。年齢表をみて、時間が取れそうな年齢を狙って計画的に勉強を進めると漠然と焦ることがなくなります。例えば私の場合ですが、子供が小学1年生のときが一番自分の時間をつくりやすくなるタイミングでした。保育園での送り迎えがなくなってやっと「自分の時間がとれる!」と思い資格試験に集中できました。それぞれのタイミングを見極めてみるのがよいと思います。

――有井さんは優先順位が明確で行動に迷いがなく、聞いていて気持ちがよかったです。人生のピンチをご自身の行動で乗り越えたことが自信につながっていることを感じました。今回はありがとうございました

まとめ

今回の有井さんのお話は、子育て中の家庭に限らず、八方ふさがりでピンチを感じている方、チームでプロジェクトを推進するための重要な考え方が含まれていると感じました。

1. 目的を明確にし、チーム一丸となって目標達成を目指す

2. 攻略する相手をしっかり調べ、戦略を練る

3. 「時間がない」で思考停止せず、現状を知り時間をつくる工夫をする

ぜひ参考にしてください!

池田千恵
朝6時 代表取締役。朝イチ業務改善コンサルタント。慶応義塾大学卒業。外食企業、外資系企業を経て現職。企業の朝イチ仕事改善、生産性向上の仕組みを構築しているほか、個人に向けては朝活でキャリア迷子から抜け出すためのコミュニティー「朝キャリ」(https://ikedachie.com/course/salon/)を主宰。10年連続プロデュースの「朝活手帳」など著書多数。

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