「海鮮料理 魚春とと屋」の「アマビエハッピー(8ッピー)丼」(税込み800円)

横浜市の鶴見駅近くにある居酒屋「海鮮料理 魚春とと屋」では、「アマビエハッピー(8ッピー)丼」(税込み800円、ランチ時は味噌汁・小鉢・お新香付き)を提供している。夜の営業ができない外出自粛期間中の5月半ばから提供スタートした。

赤酢を使った酢飯にノリを散らし、その上にマグロ・白身・ホタテ・エビ・アナゴ・イクラ・卵・タコの8種の具材をのせた海鮮丼。その見た目が見事にアマビエ様になっており、特に地元の子供たちなどに大好評を博している。

「一番苦労したのはアマビエ様の胴体のウロコ部分です。バラちらし風に試作してみましたがうまくいかず、マグロと白身の紅白の切り身を交互に盛り付けることで、ウロコ感を出しました。小さめの専用切り身を作ってからのせています」と話すのは同店の女将・永井寛子さん。小学生のお子さん2人を育てているママでもあり、普段のキャラ弁作りで培った技が思わぬところで役に立ったと話す。

「567(コロナ)に勝つ!」の意味で、語呂合わせで7より上の8に注目。末広がりで縁起のいい数字でもあることから、8種のすしダネを使い、「ハッピー(8ッピー)丼」と命名。価格も800円にした。アマビエの目の部分は魚肉ソーセージのスライスの上にノリを乗せ、クチバシはカマボコで表現。3本足にはアナゴの切り身。食べておいしい具材のバランスにもこだわった。

1日15食限定としているが、外出自粛期間中はアマビエ丼目当てのテークアウトの客もいて、売り切れる日もあったという(現在はテークアウトは終了。店舗での提供のみ)。もともと男性客の多い店なのでボリュームを多くしており、「8種も海鮮類がのって800円とはコスパがいい」と反応が良い。

「ささなか」の「海鮮アマビエお好み焼き」(税込み567円)

緊急事態宣言後、永井さんら鶴見区の商売仲間は「うちメシ応援プロジェクト」という小冊子を作ることで、地元の飲食店のテークアウトを促そうと団結している。第2弾の冊子では合計で66店もの店が参加した。

そんな中、永井さんを含む鶴見区内の地元の女将仲間がさらに結束。「食べることで人間は元気をいただく。私たちが提供できるのはお店のお料理だけじゃない。明るい話題や希望も伝えられるはず」(永井さん)と、3店がいっせいにアマビエメニューを提供することになった。永井さんのほかに、「重寿司」の女将は「アマビエ丼」を、もんじゃ・お好み焼き店「ささなか」の女将は「海鮮アマビエお好み焼き」を発案した。

「コロナにちなんで価格は567円にしました」とは、「ささなか」の女将・廣中由香理さん。この女将たちの取り組みに賛同した「うちメシ応援プロジェクト」仲間でもある米穀店「土屋米穀」の2代目・土屋信太郎氏は、画伯役をかって出て、アマビエのイラストを描いて3店に提供した。

「土屋米穀」の土屋信太郎氏の作品。3店舗で販促のために飾られている。

永井さんは「コロナにより鶴見地区が結束できたのは良かった。いま人のつながりの大切さを再認識している人が多いのではないでしょうか」と話す。飲食店として客に対して何ができるか、改めて店の価値・機能を考えさせられる良い機会になっているようだ。

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