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完全な解決策を求めて議論が進まない

優秀な社員数人が今月いっぱいで辞めることが分かりました。どうやらライバルからの引き抜きにあったようです。そういえば、最近、人事上のトラブルも頻発しています。組織に何か大きな問題を抱えていると言わざるをえません。

危機感を感じた人事部門では、各部門の責任者を集めて、組織の立て直しを議論することにしました。ところが、議論は暗礁に乗り上げ、2時間が経過しようとしています。

「給料を上げる」「若い人に仕事を任せてみる」「上司と部下で一対一の面談をする」などいろいろアイデアは出ました。しかしながらどれも決め手に欠け、「それで根本的な解決になるのか?」「本当に立ち直れるんだよな?」と問われると、うつむかざるをえません。

こんな風に、「完全な解決策を求めて何も決まらない」ということがよくあります。そうしているうちに時間だけが流れ、問題はさらに悪化していきます。特に、組織が抱える問題はこうなりがちです。いろんな要因が複雑にからみあい、どれが根本原因なのか特定しづらいからです。

抜本的な対策を求めて、全力で知恵を結集することはとても大切です。しかしながら、いくら探しても見つからないとしたら、発想を切り替えなければいけません。

絶対的に正しい答えを探すのではなく、相対的にマシな答えを選び取るのです。

たとえば、「上司との面談」が根本解決にならなくても、それを越えるアイデアがないなら、ベストの解決策となります。これが今回取り上げる「相対思考」です。

テストで50点しか取れなかったら

私たちは、気がつかないうちに、絶対思考のわなにとらわれていることがあります。典型的なのが学校のテストです。100点満点で50点しか取れないと、多くの人はガッカリします。

たしかに、学習の到達度という観点から言えば、50点は褒められた点数ではありません。絶対思考でいえば、100点満点を目指さないといけないのは言わずもがなです。

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