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新型コロナ重症化リスク A型はほかの血液型の1.45倍

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日経Gooday(グッデイ)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症し、呼吸機能が低下して酸素吸入または人工呼吸器が必要になるリスクは、血液型がA型の人で45%高く、O型の人では35%低いことが、イタリアとスペインの患者を対象に行われた研究で明らかになりました。論文は、2020年6月17日付のNew England Journal of Medicine誌電子版に掲載されています[注1]

新型コロナで重症化する・しないは何で決まる?

新型コロナウイルス感染症を発症しても、重症化する人と軽症で済む人がいます。世界規模での患者数や死亡者数の増加に歯止めがかからない中、重症化にはどんな危険因子が関係しているのかを探す研究が、世界中で精力的に進められています。

今回、ドイツ、イタリア、スペイン、ノルウェー、スウェーデンなどの研究者たちは、イタリアとスペインで新型コロナウイルス感染症を発症し、呼吸機能の低下(酸素吸入または人工呼吸器が必要)を経験した人々と、健康な人々の、ゲノム(DNAのすべての遺伝情報)の一塩基多型(SNP)(下記参照)を比較し、呼吸機能の低下と相関する領域を探しました。

一塩基多型(SNP)とは、ゲノムを構成するDNA配列のなかで、ある塩基が別の塩基に置き換わっている状態が、原則として集団を構成する人々の1%以上に認められる場合をいいます。この、たった1塩基の違いが、身長や体形、特定の病気のリスクや体質などに関係することが知られています。身近な例としては、ABCC11と呼ばれる遺伝子の180番目のアミノ酸がグリシンかアルギニンか、を決める一塩基の違い(SNP)によって、耳あかが湿っているか乾いているかが決まることが挙げられます。SNPは両親から子へ受け継がれます。

今回研究者たちが用いたゲノムワイド関連解析(GWAS)という方法は、多くの人に見られる代表的なSNPをマーカーとして用いて、特定の病気と関係する(その病気ではない人に比べ、その病気の患者に、高い頻度で認められる)SNPを見つけ出し、その近傍に存在するはずの、疾患感受性遺伝子(その病気になりやすいかどうかを決める遺伝子)を推定する、という研究方法です。SNPは近くにある遺伝子に対して、発現を上昇させたり低下させたり、といった、多様な影響を及ぼすと考えられています。

著者らは、当時、欧州における新型コロナウイルス感染の中心地となっていた、イタリアとスペインの4都市の7病院で、新型コロナウイルス感染症を発症し、呼吸機能の低下を経験していた1610人(患者群)と、健康な2205人(対照群)を対象に、ゲノムワイド関連解析を行い、呼吸機能の低下と相関する領域を探しました。

O型の人の呼吸機能低下リスクは他の血液型の0.65倍

患者群と対照群の間に有意差が見られたのは、「3番染色体の3p21.31の領域」に存在するSNPと、「9番染色体の9q34.2の領域」に存在するSNPでした。このうち9q34.2は、ABO血液型を決める遺伝子が局在する領域と一致しました。

そこで著者らは、対象者のゲノムのSNPに関する情報に基づいて、個々に血液型を推定(ABO式血液型は、実は、一遺伝子上に存在するたった3つのSNPによって決まっています)し、呼吸機能低下との関係を調べました。すると、A型の人の呼吸機能低下リスクは、他の血液型(B型、AB型、O型)の人より有意に高く、1.45倍になること、一方でO型の人の呼吸機能低下リスクは、他の血液型(A型、B型、AB型)の人より有意に低く、0.65倍になることが分かりました。

新型コロナウイルスとABO血液型に関しては、これまでも「新型コロナウイルス感染者はA型の割合が有意に多い」とする疫学的な報告が複数ありました[注2、3]。今回の結果は、新型コロナウイルス感染症の重症化に血液型の違いが関係していることをゲノム解析によって示したもので、重症化の危険因子に関するさらなる検討に役立つと期待されています。

[注1]Ellinghaus D, et al. New Engl J Med. June 17, 2020. DOI: 10.1056/NEJMoa2020283

[注2]Wu Y, et al. Clin Chim Acta.2020;509:220-3.

[注3]Zietz M, et al. medRxiv. 2020 Apr 11;2020.04.08.20058073. doi: 10.1101/2020.04.08.20058073. Preprint

[日経Gooday2020年7月9日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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