ぬいぐるみを捨てられない女優、美村里江さん

女優、エッセイスト。埼玉県出身。2003年、テレビドラマ「ビギナー」で主演デビュー。最近では初の歌集「たん・たんか・たん」(青土社)が好評発売中。

子供のころに好きだったぬいぐるみが今も家にたくさんあり、捨てられずに困っています。近所で人形供養があったのですが、どの順番で持って行けばいいのか決められませんでした。人にあげるには傷んでいますし、私が死んでから家族に処分してもらうのも、棺おけに入れてもらうのも気が引けます。いい方法はないでしょうか。(千葉県・50代・女性)

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20年超えのカエルのぬいぐるみを所持する者として、お気持ちがとてもよくわかります! 方法を思索する前に、我が家のカエル君の例で「ぬいぐるみの特性」を考えてみましょう。

大手玩具店で目が合い、14歳の誕生日プレゼントとして入手したカエル君。体長50センチメートルほど、口をパクパク動かせるパペット型。高品質の割に大変リーズナブルで2千円台でした。

しかし現在、同じカエルが高いときには5万円超えでインターネットのオークションサイトで取引されています。なんでも、当時作っていた工場の倒産に伴い縫製の「型」も消失。後続の類似品はあれど、魅力の再現は難しいそうです。

なぜ私が事情を知っているかというと、どうしてもカエル君を2匹並べたくて、調べ尽くしたからです。吟味の末、オークションで9千円で落札し、我が家へ迎えました。

売り主さんは30代の男性で、3匹を同時に出品されました。15年間大事にしてきて、結婚を機に泣く泣く手放すそうで「かわいがってやってください」と熱く長いメッセージを拝受しました。20代半ばだった私も「大事にします」と約束。2匹並んで10年目を迎えました。

長くなりましたが、「ぬいぐるみの特性」=価値を感じるのに年齢は関係ないという経験から、愛情深い相談者さんに「即刻全処分」は難問かと存じます。そこで第一歩として、私が実践した方法を紹介しますね。

まず、手元に残すごく少数を決めます(辛い選別ですが頑張って! 我が家は5体に絞りました)。大きく柔らかな布袋を用意、心を鬼にしてその他を入れます(目が合ったら迷うのでご注意!)。

袋内に少しの塩やお花を添えるのも、供養として心が落ち着くので◎。後は対応可能な神社・寺院・葬儀場、またはごみの集積所へ持って行きます(前者には供養代、後者は素材の分別が必要です)。

相談者さんのぬいぐるみは幸せだったと思います。できる限りの措置で真心を持って送り出し、残したぬいぐるみをその分大事に手入れして過ごしてください。


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