食物繊維多くとる人、死亡リスク何割減? 日本人調査

日経Gooday

食物繊維の摂取量と死亡リスクは逆相関関係を示す

平均16.8年の追跡期間中に、1万9400人(男性1万1773人、女性7627人)が死亡していました。

年齢、居住地域、BMI(体格指数)、喫煙習慣、飲酒量、余暇時間における運動習慣、高血圧、糖尿病、健康診断受診の有無、緑茶摂取量、コーヒー摂取量、塩分摂取量、閉経前か後か(女性のみ)、ホルモン補充療法歴(女性のみ)の影響を極力排除する方法で分析した結果、食物繊維の摂取量、可溶性食物繊維の摂取量、不溶性食物繊維の摂取量はいずれも、総死亡リスクと逆相関関係を示しました。食物繊維の摂取量が最も少なかった最低五分位群に比べ、最も多かった最高五分位群では、総死亡リスクが男性で23%、女性で18%減少していました。

死因別に検討したところ、食物繊維の摂取量が多いことは、男女ともに、循環器疾患による死亡(最高五分位群で男性20%減、女性27%減)、呼吸器疾患による死亡(同様に男性36%減、女性47%減)、外傷による死亡(男性45%減、女性39%減)のリスク低下と関係していました。男性でのみ、がんによる死亡リスクの低下(21%減)も認められました(表1)。なお、呼吸器疾患や外傷による死亡数は少なかったため、データの信頼性は、がんや循環器疾患の場合に比べ、劣ると考えられます。

表1 食物繊維の摂取量と死亡リスク

(出典:Am J Clin Nutr. 2020 May 1;111(5):1027-1035.)

続いて、どのような食品から摂取した食物繊維が死亡リスクの低下と関係するのかを検討しました。その結果、穀類由来の食物繊維の摂取と総死亡の間には有意な関係は見られず、豆類、果物、野菜由来の食物繊維の摂取量は、総死亡リスクとの間に逆相関関係を示すことが明らかになりました。

論文は、American Journal of Clinical Nutrition誌2020年5月号に掲載されています[注2]

[注2]Katagiri R, et al. Am J Clin Nutr. 2020 May 1;111(5):1027-1035.

[日経Gooday2020年5月27日付記事を再構成]

大西淳子
医学ジャーナリスト。筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。

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