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安野モヨコさん「女性の幸せ、モデルケースを捨てて」

『ハッピー・マニア』『働きマン』のマンガ家からのメッセージ

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NIKKEI STYLE

日経ウーマン

女性の生き方や幸せについて数々の作品を描いてきた安野モヨコさん。マンガ家として30年のキャリアを積んだ彼女が考える、 「女性の働き方」や 「幸せの探し方」について聞きました。

女性に共通の幸せ像なんてない。みんなが自分オリジナルの幸せを見つけられればいいんです

──ワークライフバランスの推進や残業禁止、ハラスメント対策など、時代とともに働き方が変化しました。それでもなお2004年に連載された作品『働きマン』や、仕事に情熱を注ぐ主人公・松方弘子に共感する女性が多いのはなぜだと思われますか。

私も過度の残業は反対ですし、過労で病に倒れるまで働くのははっきりと異常だと思っています。残業もただ単に本人の仕事のスピードが遅くての場合と、1日ではこなし切れない量の仕事、人員不足のしわ寄せといった会社側の都合による残業とでは全く意味が違います。それと同じで、ワークライフバランスを取り余裕を持って仕事をすることと、仕事のクオリティーを犠牲にするのとは意味が違いますよね。『働きマン』は松方さんが主役ではありますが、彼女の成長物語ではなくて、いろんな人の立ち位置から他人を見ることで、その違いを体感できないかなと思って描いていた部分があります。

『働きマン』を好きだとおっしゃってくださる方は、実は松方さんが好きというより、その違いを感じてくださっているのではないでしょうか。

──デビューしてからの30年を振り返り、長く働き続けるために大切だと思うことは?

今のことに集中しながらも、次に何をやるかを考えて楽しむことですかね。先のことばかり考えていても現在がお留守になるし、今のことしか考えてないと目の前のことが終わったときにパタッと止まってしまうこともあります。目の前のことに集中してそのときできることをやった上で、頭のどこかでぼんやりと次は…とか、こんなこともやってみたいな…とかをイメージするのは、息抜きとしてもよいと思います。

幸せを探し続けた女性の今

──『ハッピー・マニア』の続編として45歳になった重田加代子(シゲカヨ)を、今この時代に描こうと思われた理由は?

『ハッピー・マニア』は随分前に終わった作品で、自分自身でも遠い記憶のかなたにあるものだったので、続編(『後(ご)ハッピーマニア』)を描く気は毛頭ありませんでした。しかしながら長年休筆していた私のリハビリ的作品『鼻下長(びかちょう)紳士回顧録』を黙って載せ続けてくれた、月刊誌『フィール・ヤング』には多大な感謝をしておりまして。商業的には決して成功したといえないこの作品でしたが、私にとっては大きな意味のある連載でした。

なので、「次はもう少し売れる作品を描きます」という恩返しの気持ちがありました。それと同時に、何年か前からの不倫ブームで、既婚者同士がマッチングアプリなどを使って会ってセックスを楽しんだりする風潮に関して、時代の変化を感じていて。不倫ってもう少し前だと、もっと気持ちの部分が重く入ったもの、という漠然としたイメージがあったと思います。たまたま好きになった人が結婚していただけで、愛情の純度としては結婚より上、というような感覚を、当事者たちが持っているように感じていました。

でも、正確な時期はよく分かりませんがある時期から夫が激務で帰ってこない、セックスレスである、などの理由に見られるように、不倫する人の多くがその人が好き、というより自分の寂しさを埋めるために浮気するようになって、その目的が「自分の精神の充足」に変化してきているなと思っていました。

そういったライトな感情で関係を持つ人がいるなかで、「重田さんはどうしてるんだろうな」と考えてみたのです。あれだけ自分の幸せを求めてさまよっていた人が結婚した後、どういう人生を送っているのか。「今なにやってんのかな~」って昔の友達のSNSを見るような感じですかね(笑)。浮気するにしても、どうしてそうなっていくのかなどを描いてみたら面白いんじゃないかと思ったのです。

彼女がさまよっていたのは、ただひとりの自分を幸せにしてくれる人を探し求めてのことだったので、「幸せでないならそうしてくれる他の何かを探さなくては!」という流れになっていくんじゃないかと思います。

「自分だけの幸せ」を求めて

──安野さんが考える女性の幸せとは? 幸せや成長を求め続ける女性へのアドバイスをお願いします。

もう女性だからこれが幸せ、というモデルケースを捨てることです。成功している女性のパターンを見て「すてきだな」と思っても、その人とは生まれも育ちも性格も何もかも違います。その人にとって幸せだったとしても、自分にとってはそうじゃないかもしれません。幸せな日曜日の朝が1時間のジョギングって確かにすてきですが、それが楽しいとすべての人が感じるわけはないのです。

ちなみに、私は日曜の朝はベッドでごろごろしているのが幸せです。だからもうすべての女性は自分のオリジナルの、自分だけの道を見て、自分が幸せだと感じることを忠実に追いかけていけばいいと思います。ただ、老後を含めて自分ひとりで食べていけるような仕事の筋道はつけておいたほうがいいと思っています。誰かと暮らすにしても、それは基本だと思います。

安野モヨコさんの代表作

<1995年~>

『ハッピー・マニア』祥伝社/全11巻

好きになったら一直線。自分の幸せを求めて精力的・能動的に男性を追い求める20代の重田加代子の言動は、世の中に衝撃を与えた。今までの少女マンガの常識を覆したといっていい作品。

<2001年~>

『さくらん』講談社/全1巻

江戸・吉原遊郭で異彩を放つ美貌の遊女、きよ葉。誰にも頼らず自分を信じて吉原一の売れっ子花魁(おいらん)・日暮になる。ひとりの青年と恋に落ちるが…。土屋アンナ主演、蜷川実花監督で映画化。

<2003年~>

『シュガシュガルーン新装版』講談社/全4巻

『なかよし』で連載したファンタジー作品。魔界のクイーンを決めるため、魔女のショコラとバニラが、恋するハートを辿って勝負を繰り広げる。第29回講談社漫画賞児童部門受賞。

<2004年~>

『働きマン』講談社/既刊4巻

松方弘子(29歳)は、プライベートを犠牲にしても仕事に没頭する週刊JIDAIの編集者。彼女を中心に、「働くとは何か」と悩みながら仕事や人生と向き合う編集部員などの姿を丁寧に描く。

<2007年~>

『オチビサン』朝日新聞出版/既刊9巻

「疲れている人でも読めるような優しいマンガを生み出したい」と誕生した作品。安野さんが体調を崩し休養を取った期間も、唯一描き続けた作品でもある。

<2013年~>

『鼻下長紳士回顧録』祥伝社/上下巻

20世紀初頭、フランス・パリの娼館を舞台に、主人公コレットや情夫レオン、客たちの愛と欲望に彩られた人間模様を描く。担当した佐渡島庸平さんが安野さんを天才だと改めて思った復帰作。

<2019年~>

『後ハッピーマニア』祥伝社/7話まで連載中

『ハッピー・マニア』でタカハシと結婚した16年後、45歳の重田がカムバック。夫から離婚を切り出された彼女がどう生きるかが見どころ。『フィール・ヤング』で第7話まで連載中。「コミックシーモア」でも先行配信中。

安野モヨコさん
1971年東京都生まれ。漫画家。『ハッピー・マニア』(祥伝社)や『働きマン』(講談社)、エッセイ『美人画報』(講談社)など代表作多数。『フィール・ヤング』(祥伝社)で『後ハッピーマニア』連載中。8月6日に『後ハッピーマニア』第1巻が発売予定。500点に及ぶ原画を中心に展示する「安野モヨコ展ANNORMAL」が、9月22日まで東京・世田谷文学館で開催中(事前予約制)。https://annormal.annomoyoco.com

(構成・文 高島三幸、写真 スタジオキャスパー)

[日経ウーマン 2020年6月号の記事を再構成]

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