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アボカドをスープの素材に活用した「カラダのミカタ!アボカドたっぷりロカボヌードル」

3.「カラダのミカタ!アボカドたっぷりロカボヌードル」

「今回、何品か出品されていたスープが緑色を呈した応募作の中で、アボカドのみに頼らず、鶏肉からだしを採るなどしっかりとラーメンのスープを作っている点が好印象。ブレンダーでスープを泡立てる、関西圏ではやっている泡系ラーメンのギミックを採り入れている点も特筆に値する」

審査時にそう評したとおり、この1杯の最大の特長は、オリジナリティーを演出しようとする試みと、ラーメンづくりに必要な基本的な工程の要諦をしっかりと押さえたレシピになっている点である。ラーメンスープの素材になじみが薄いアボカドを活用し、タレの代わりに塩で味付け、こんにゃく麺を用いるなど、マニア目線からすると独自性の演出に走り過ぎているきらいがある。

とはいえ、丁寧な下処理を施したガラからだしを採るなど、浮ついたレシピになっていない点に好感が持てる。出来上がりの味が予測できず、レシピを眺めるだけで「さて、どんな味か」という好奇心が惹起された点も印象に残った要因のひとつだった。

この1杯を商品化し「レギュラーメニュー」として店舗で販売するとしたら、作業工程的に大変だとは思うが、実現すれば、非常に面白い1杯として受け入れられるのではないだろうか。

以上、独断と偏見に基づき、本コンテストの応募作の中で特に印象に残った3杯について、コメントとともに紹介させていただいた。私は専らラーメンマニアの視点で審査に臨ませてもらったが、他の審査員の方々は多種多様な視点に基づき、しっかりと審査されていたのではないかと思う。裏を返せば、マニア目線だけですべてが決まったわけではないということだ。レシピひとつとってみても、多面的な見方ができる。今回のコンテストを通じ、ずいぶんと勉強させてもらった。

(ラーメン官僚 田中一明)

田中一明
1972年11月生まれ。高校在学中に初めてラーメン専門店を訪れ、ラーメンに魅せられる。大学在学中の1995年から、本格的な食べ歩きを開始。現在までに食べたラーメンの杯数は1万4000を超える。全国各地のラーメン事情に精通。ライフワークは隠れた名店の発掘。中央官庁に勤務している。
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