最終結果で「特別賞」に輝いた「幸せな気持ちになる大人のラーメン」

2.「幸せな気持ちになる大人のラーメン」

「豚のコクが一滴一滴、溶け出したスープを素直に味わう序盤から、魚介スープ投入後の中・終盤に至るまで、食べ手に飽きを感じさせない構成。このようなギミック(仕掛け)が実現できる力量の人が手掛ける1杯が、おいしくないはずがない。タレを使わずだしだけで味を構築しているとすれば、その点も面白い」。審査時にもそう講評させていただいたが、今回「特別賞」を受賞したこの1杯の最大の特長は、食べている途中でカツオ節・昆布ベースの魚介スープを「後付けスープ」として提供する点にある。

現存するラーメン店でもスープを2種類用意し、後付けで提供する仕様はそう多くない。考えようによっては、別々の寸胴で2種類のスープを作り、客に提供する直前に丼で合わせる「Wスープ」のバリエーションとも言えるが、時間差を設け第2のスープを提供し、スープの追加を食べる側の手に委ねる発想は珍しい。

食べる側の視点に立てば、自分自身の手で味をカスタマイズできる楽しみが加わり、一石二鳥だろう。この「スープonスープ」のギミックは画期的で、プロの専門店でもぜひ採り入れてもらいたいものである。

トッピングもワンタンではなく、「水餃子」を採用、その上で材料費(1人前)を280円という低コストに抑え込んでいるのは特筆に値する。

トータルで価格を840円と抑え込んだ点も実に良心的で、実店舗でなら1000円払っても損した気分にはならない逸品といえる。

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3.「カラダのミカタ!アボカドたっぷりロカボヌードル」
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