ゼロから国際高校を創設 起業家に学ぶ実行力の養い方『世界に通じる「実行力」の育てかた』

チェンジメーカーになるために、著者が実践していることをひとつご紹介しましょう。それは「断られたときにこそ、丁寧にお礼する」ことです。資金調達や寄付のお願いで何十回も断られることがありますが、そのときは、落ち込まず、まず相手に言われたことを「咀嚼(そしゃく)する」――。これを愚直に実行しているのです。

断られるときには、必ず何らかの理由があります。事業計画のここが甘い、競合がどうだという指摘があった場合は、「ビジネスリスクがつぶしきれていない」というメッセージだと捉えます。自分を批判され、否定されたと憤慨するのではなく、そこで指摘された事実だけを真摯に受け止めて、貴重なアドバイスだと思うことが大切だと思います。
(第4章 「あきらめない」は特別な能力? 189ページ)

著者がよく知る5人のチェンジメーカーが、本書にはケーススタディとして紹介されています。障害者の就労支援サービスを手がけるLITALICO(リタリコ)代表取締役社長の長谷川敦弥氏、データ分析に強い社会科学者でエール大学助教授の成田悠輔氏、AI開発で先端を走るシナモン代表取締役CEO(最高経営責任者)の平野未来氏、日本人最年少で7大陸最高峰を踏破した登山家の南谷真鈴氏、印刷・物流サービスのラクスル代表取締役の松本恭摂氏です。それぞれの人物評を通じて、小林氏が追い求める理想のチェンジメーカーの姿もまた、浮かび上がってきます。

本書のテーマは「行動力」ではありません。「実行力」です。動くだけで結果が出なければ「実行」にはならないのです。高校生から「結果」を意識させるのが、小林氏が進める教育メソッドの柱の一つです。ここで学ぶ若者たちは、どのようなかたちで「開拓者」として羽ばたいていくのでしょうか。

◆編集者からひとこと 日本経済新聞出版・雨宮百子

私が小林さんのことを最初に知ったのは、2014年です。当時、関係していたフォーブス・ジャパンの表紙が小林さんだったのです。記事を読みすすめながら、「すごい熱量をもった方がいるんだな」と感じました。それから4年後、別の著者の講演会にいった際、壇上で小林さんをお見かけしました。周囲を明るくする話術に引きこまれました。

小林さんが軽井沢に設立したUWC ISAKは、私が高校生だったら絶対に通いたかった学校でした。高校生には戻れないですが、ISAKでの授業をうけたい!学びたい!という思いからこの企画はスタートしています。「グローバル」と言われる時代に求められる力は、何なのか。未来を切り開くリーダーには、何が必要なのか。本書から感じていただけるとうれしいです。

一日に数百冊が世に出るとされる新刊書籍の中で、本当に「読む価値がある本」は何か。「若手リーダーに贈る教科書」では、書籍づくりの第一線に立つ出版社の編集者が20~30代のリーダーに今読んでほしい自社刊行本の「イチオシ」を紹介します。

世界に通じる「実行力」の育てかた はじめの一歩を踏み出そう

著者 : 小林 りん
出版 : 日本経済新聞出版
価格 : 1,760円 (税込み)

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