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相手が話した英語を誤解して受け取ってしまった。そんな体験はどなたにもあると思います。日本人向けの英語教育で豊富な経験を持つデイビッド・セインさんは「日本人が聞き手として勘違いしやすい英語表現がある」と言います。今回は「音」という意味でおなじみのsoundを使ったフレーズについて見ていきましょう。

◇  ◇  ◇

取引先に新製品に関して相談事があると呼ばれて、先方を訪問しているユウカ。担当者である、ケビンから両社合同でキャンペーンを行うのはどうかと提案されます。これまで事業での協力はしてきたものの、キャンペーンはそれぞれの会社で行っていたので、思ってもいなかった提案に少し戸惑ってしまいます。そんなユウカの様子を見て、ケビンは感想を求めるのですが……。

それはこんな会話でした。

Kevin: Thank you for coming all the way over here today.
Yuka: No, no, thank you for making the time to see me today.
Kevin: Actually, we would like to do a joint campaign with your company regarding the new product.
Yuka: A joint campaign?
Kevin: That's right. We've done things like that separately up until this point, but this time I'd like to do something together.
Yuka: Now that you mention it, we haven't done anything like that together before.
Kevin: We feel that if our companies work together, we could make a more proactive campaign.
Yuka: I see, I see.
Kevin: Let's think it over. How does that sound?
Yuka: I can't hear a sound. Can you hear something?
Kevin: Ah, did I ask for too much?
Yuka: Not at all, it sounds like a good idea.

日本語に置き換えてみると次のようになります。

ケビン:今日はわざわざ来てくれてありがとうございました。
ユウカ:とんでもない。こちらこそお時間をいただきありがとうございます。
ケビン:実は、新製品に関して、御社と合同でキャンペーンをしたいと考えておりまして。
ユウカ:合同でですか?
ケビン:ええ。これまではそれぞれやっていたのですが、今回は一緒にというご提案です。
ユウカ:そういえばこれまで一緒にやったことありませんね。
ケビン:力を合わせたらより積極的なキャンペーンができると思いました。
ユウカ:なるほど……。
ケビン:ぜひ、前向きに考えてほしいのですが、この話はいかがでしょうか?
ユウカ:いえ、何も聞こえませんよ。何か聞こえますか?
ケビン:あ、ちょっと無理なお願いでしたか?
ユウカ:いえいえ、面白いと思います。

上記の会話は、ユウカとクライアントのケビンの会話です。これから発売する新製品のキャンペーンを合同で行うという提案に、ユウカは「なるほど……」と少し言葉をつまらせます。ケビンはユウカに感想を求めたのですが、soundを使ったフレーズを「騒音」「物音」という意味で受け取ってしまいます。ユウカがI can't ...と否定してしまったことで、ケビンは提案に乗り気ではないのかと勘違いしてしまいました。

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