世界最大広告賞に学ぶ 生活導線からのアイデア発想法第9回 アイデア分析編(4)

【第5位】ALEXA, ARE YOU HUNGRY? (アレクサ、おなかすいてない?)

https://www.behance.net/gallery/99628105/ALEXA-ARE-YOU-HUNGRY-YLWW-Mention-2020

この企画は、アマゾンの音声アシスト機能「アレクサ」を使った、音に着目したユニークなアイデアです。例えば、「アレクサ、チキンを使ったパスタの作り方を教えて」という声に反応して、アレクサからおなかが「グー」となる音が聞こえます。えっ?なんで?と思っていると、アレクサがこんな解説をしてくれます。「食べ物の話を聞くと、私と、約8億人の飢餓に悩む人のおなかの音が鳴ります。もしこの音を静かにしたいなら、私に『今すぐ寄付する』と言ってください。そうでなければ、チキンパスタの作り方を説明します。材料は……」

このアイデアの優れている点は、料理をするというありふれた行動と飢餓の問題を結びつけて人々がハッとした瞬間を逃さずに、すぐに「寄付」という行動を促している点です。食事を作るという行為が決して当たり前ではないという事実を、先進諸国の人々につきつけています。

【第4位】SHOPPING WITH PLUSHIE(ぬいぐるみとお買い物)

https://www.youtube.com/watch?v=j2gJ5Wnpvpo&feature=youtu.be

こちらは、日本人のクリエイターによるアイデアです。北米のスーパーマーケットのショッピングカートの平均サイズが1975年から3倍近く大きくなっているという面白いデータをもとに、スペースがあるとつい買いたくなってしまう人間の心理に着目します。

そこで、買い物にぬいぐるみを連れていって、ショッピングカートに入れることでスペースを減らし、余計な買い物を減らそうというのがこの企画のアイデアです。さらに、ぬいぐるみを買い物に連れて行っている様子を写真に撮り、インスタグラムで話題にするというアイデアの広がりまで提示している、よく練られたアイデアです。

【第3位】RECYPES(食材リサイクルレシピ)

https://www.youtube.com/watch?v=bteR8NbWGYc

この企画では、調理で余った食材の再利用に着目したアプリが提案されています。このアプリは、これから作るレシピをスキャンして、どんな食材が余りそうかを推測してくれます。例えば、卵の黄卵だけ必要で、卵白が余ると分かった場合、余った卵白を使ったレシピをインターネット上で検索して提案してくれます。

このアイデアは、まずは料理好きに影響力のあるインフルエンサーに使ってもらい、その人たちから料理を学びたいユーザーへと広げていくことを想定しています。料理を作る人に焦点を絞った、とても実行力の高い企画だと思います。

【第2位】2/3 CAMPAIGN(2/3キャンペーン)

https://www.behance.net/gallery/99815385/23-Campaign-Young-Lions-Global-2020-2nd-Place?tracking_source=search_users_appreciations

世界で多くの人が飢餓に苦しんでいるにも関わらず、1/3の食料が捨てられている。この衝撃的な事実を、一瞬で分かるビジュアルで訴求しようというのがこのアイデアです。具体的には、ハンバーガーチェーンなど世界的な食品関連の企業とコラボして、2/3は従来の製品パッケージ、1/3は青く塗りつぶしてWFPのメッセージを届けるスペースにします。

また、食品企業のインスタグラムも1/3は青く塗りつぶされるなど、至るところで「2/3キャンペーン」が展開されます。人々が普段何気なく目にする場所に、目をひく真っ青な色が1/3入り込み、その意味を知ることで意識を変える、大規模なキャンペーンになりそうです。

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